>>208
「ふざっ…」
拒絶の声を上げようとしたとき、後ろに並ぶ廷臣たちから悲鳴がこぼれる
ジャヴァの親衛隊である獣人たちが抜刀して廷臣の後ろに立っていた
(不利になると知りながら私に従ってくれた彼らを見捨てられない...それに...ジャヴァの狙いは)

魔族でも爵位を受けた魔人たちは、あくまで魔人王に忠誠を誓っているだけで、個別には領土を奪おうが問題はない。
ただ、それが過ぎれば他の魔人貴族による同盟軍と戦う羽目になる。
(私の身体…私を娶ることで、この都市を併合しようということなのだろうな)

まさか、目の前の同じ男爵級の魔人が色欲だけで自分を得ようなどと思いもよらず、政治的な判断を優先させる。
「んッ…ぁんっ…わかった...からぁ...せめて、寝室でっ」
細身の体に不釣り合いの大振りの乳房は揉めばジャヴァの手を押し返すような弾力を持ち、匂い立つような孕み頃の雌魔族のフェロモンを漂わせていた。
(なんだ、揉まれているのは嫌なはずなのに…)
そして、より強い個体を作り出す魔人の本能が、自分にはない強靭な体力を持つジャヴァの子種を欲しているなどヴェスパには思いもよらなかった