「ご、ゴメンナサイ……」
いつものやさしい雰囲気が少しの間消え失せて張り詰めた気がした。
感じなくて済む痛さなら感じないに越したことはない。
思わず身をすくめて謝るしかなかった。

「んっ……それはそう、だけどっ……んん〜〜〜っ……!」
指がぐり、と押し込まれる度に何かが込み上げるような感じがする……
我慢しようとしてもお腹の下あたりから上がって来るソレに体が勝手に動いてしまう。
触られるだけでこんなにヘンな感じになるなんて、やっぱりあたしの身体はかなり凝っているのだろうか。
時間としてはたぶん、何分も掛けないくらいのほんの短い間だった。
その間にもヘンな感じは絶え間なく続いて、まるでおしっこを我慢しているような気分になってくる……。

「んっ……ん〜……やだ、もう……っ」
たまらずトイレに行かせて、とでも言ってしまおうかと思ったのとほぼ同時にセイ兄ぃの手が離れた。
押し込みが止まるとうつ伏せのままくてっとベッドに顔を埋めて息を整えた。
そうしているとさっきまでのヘンな感覚が引いていく。

「んぁ……まだ、やんのかよ」
仰向けにされると天井の蛍光灯が眩しかった。
それを隠すようにセイ兄ぃがあたしを見下ろす。
両肩へ手が回され揉みほぐしが始まった。
「んっ……あ、あはっ! ちょ…そこっ……く、ははっ」
肩、首までは我慢できた。
腋にまで手が入り込むとさすがにたまらず声が出てしまう。
形としては完全にくすぐられてるから無理もない、ハズ。
咄嗟に兄ぃの手首を掴んでみてもそんなの関係なくマッサージは続く。
「ちょ、ちょっ……あはっ、あははは! もうやめっ……ひゃはぁっ!?」
身体の横側を左右両方から揉まれてあたしは悶絶する。
勝手に体が反応して息が詰まる。仰け反ってちょっとでも空気を取り込もうと口が開く。
ひとしきり体の横を揉んだ後、兄ぃの手がまた動く。

大きなリボンに覆われたあたしの胸。
ぜんっぜん大きくなる様子もなく、ほぼ平らなそこをまるで持ち上げるように。
掌でそのまま胸の下から腋までをなぞるようにされる。
「う、うあぁ」
背中を反らして声が勝手に出る。

くすぐったい。
それもさっきまでの苦しいくすぐったさとは違う気がする……。
腋まで滑り込んだ兄ぃの手が胸の下までなぞりながら戻る。ゆっくりと胸の下と腋の往復。
「う、うぅ〜……あ、あうぅ」
その手付きのままに、脇腹やお腹も通過して。
おへその下あたりにまで兄ぃのマッサージは続いた。
そんなに暑くもないはずなのに、身体全体が熱を出してるみたいな感覚。
気が付けばぐったりと体を投げ出して、あたしは兄ぃのなされるがままだった。
脚を持ち上げてのストレッチ。完全に脱力しているあたしの脚は簡単に曲げられ、自分の力なしにほぐされていくのが心地良かった。

「んん……なんか、からだ、ヘンなんだけど……」
どうやらすべてが終わったらしく兄ぃが声を掛けて来る。
起き上がる気すら起きない。
触られたところどころが、まだ兄ぃの手に覆われてるような……

「んん……っ」
確かめるように左腕で胸を、右手でお腹の下に触れてみる。
その瞬間、自分の手の感触なんて普段は気にならないのに。
手の当たったところからじわり、とまたあのヘンな感じがし出した。
「兄ぃ……なんか、ヘンだよぉ……触られたとこ、なんか、あつくて……っ」
こんなの、今までなかった。こんなヘンな感じ知らない。

【続行でお願いします。すみません、一度投稿したらエラーで書き込めておらず大変時間が掛かってしまいました;】