ベッドに横向きで寝転んでいる背中越しに突然声がしてあたしは跳ね上がった。
慌てて見るとそこにいたのは変身したセイ兄ぃ。
そうだ、この兄ちゃんの能力にかかればプライバシーも何もあったもんじゃなかった――
じゃなくて!
「な、なな……なんで来たんだよー!?大丈夫だって言ってんじゃ……っ」
ブラとパンツ以外着てなくて、しかもそれすらだらしなくズラしたまま。
手はろくに拭いてもいない。
そんな無防備な状態で寝転がってる自分の部屋に来られるのは、正直言ってめちゃくちゃ恥ずかしい。
「――そんなの、見りゃ分かるだろっ……ずっとヘンな感じ治らなくって……!」
「あたし正義の味方なのに……ずっとこんなことばっかやってて……っ」
兄ぃの顔を見たら急に自分が情けなくなって来て、ワケのわからないことを言っていた。
叱りつけられるくらいしてほしかったけど、兄ぃはいつもと変わらずやさしい口調のままだった。
「……っ」
言われた通りに、あたしはその場で魔法少女姿へ変身した。
最近はろくに戦っていなかったので、この姿になるのも久しぶりだった。