おまけ1.
「うしっ」

道弘は意を決してドアホンを押した。

ピンポ〜ン

間延びした電子音が鳴り響く。

「は〜い」

奥の方から返事があり、パタパタと人の気配が近付いてくる。
ガラっとドアが開けられ、熟年の女性が顔を出した。

「あら、みちくんじゃな〜い」
「あ、ど、どうもです」

出てきたのは、かつて祭りで道弘が初めてを捧げたおばさんだった。

「もうずいぶんと久しぶりよね〜」
「はは……、ご無沙汰してます……」

おばさんの息子は幼い道弘たちを可愛がっていて、また道弘たちもよく慕っていたことから、
このおばさんの家には頻繁に訪れていた。
しかし、あの祭りの後、おばさんを孕ますことができなかったことから、
おばさんとの関係がギクシャクし始め、自然と足が遠のいてしまったのである。