0297セレモニー【末っ子の気持ち】 ◆em90i3cCkg
2016/03/09(水) 02:03:28.19ID:rcrVbSuy「オレらがばっちりおばちゃんに種付けするから任せてよ」
「うふふ、頼もしいわね」
「あ、ああ……、これなら安心だね……」
……ちぇっ、アツヤのヤツ、チョーシに乗りやがって
永弘は神輿を担ぎ終え、母と一番上の兄が話しているのを少し離れた場所から見ていた。
そこに坊主頭の少年、アツヤが二人に話しかけてきた。
アツヤは近所に住む永弘の一つ年下の少年で、永弘たちともよく遊んでいた。
しかし、永弘はこのアツヤという少年をあまり快くは思っていなかった。
生意気で年上の少年たちをどこか見下していて、
永弘のことも呼び捨てにするこの少年に苛立ちを覚える。
苦手な勉強を教わる時だけ猫撫で声ですり寄ってきて、
あまつさえ永弘に宿題を押し付けようとするので余計に腹立たしい。
だが、永弘の母、登志子は何故かこの少年を気に入っており、よく可愛がっていた。
アツヤも登志子に懐いていて、ベタベタと甘えていた。
登志子が今年の実り女に決まった時などは、アツヤは大喜びして随分とはしゃぎ回ったものだった。
「オレ、永弘のパパになっちゃうな」
などと言われた時には永弘はアツヤをぶん殴ろうかと思ったほどだった。
そんな永弘だったが、今日は母とアツヤが交わるのを黙って見ていることしかできない。
アツヤが母を実らせるのを指をくわえて見ているしかできないのだった。