09.
登志子は仰向けの少年の前に立つ。

……か、母さんは今、どんな顔してるんだろう……

道弘からは母の後ろ姿しか見ることができない。
その母の淫らな表情は、母の足元に横たわる少年にしか見えない。
法被は既に脱いであり、母が身に付けているのは、
頭に巻かれたねじり鉢巻以外は母の白い尻を締めて褌と足袋だけであった。
母の裸体をまだ年端もいかない少年が見上げていた。
そして今また母の全てが開かれるのであった、それも母自らの手によって。
道弘の心臓は早鐘の如く激しく打ち叩かれ、息苦しさを感じるほどだ。

「それじゃあ、初めるわよ」

母の言葉に少年は、わずかに頷いた。