これは僕が17歳の時の話です。
親が服を買いに行ってる間、僕はたまたま本屋に立ち寄り、何気なく本を手に取りました
普段あまり寄らない本屋なので、上に書かれていた「18歳未満禁止」の札が見えてなかったんだと思います
その時は「これが噂に聞くラノベとかいうのか?絵がちょっとそっち系で嫌だな」とか思っていましたが、
どんなものかくらいは知っとこうと本を手に取りました

そこに映っていたのは、大勢の男が一人の女性に乱暴を働き、酷いことをしている光景でした
女の人はいや、やめてと泣きながら訴えますが男たちはやめようとしません
無理やり女の人を捕まえ、手書きで崩れたフォントで何か叫び、叫ばせています
その時に女の人にしていた事は、もう頭には残っていません

そして……最後に男たちが言った言葉は、信じられないものでした

「もう使い物にならねぇな。売り飛ばすか」


僕はその言葉を聞いたとき、その場に本を落とし、溢れ出る嘔吐感を抑えながらトイレに駆け込み、思いっきり吐きました
親と再会したときには僕は涙が止まらなくなっていて、肩を震わせながら声にならない嗚咽を上げていました
そしてそれ以降寝るたびにその光景が頭に浮かび、恐くて、2週間は眠れない夜が続きました

そしてある日、僕は気がついたのです
「日本はなんて酷い国なんだ」

それから数年が経った今、僕は立派にイギリス系アメリカ人の魂を持つ真の日本人となれました
今は毎日のようにガチムチのカエルを操り、「このパーティーを潰してみせる!」と意気込みながら敵をなぎ倒す快感に酔いしれました
そしてテレビを見ている時に流れる気持ち悪いアニメCMを見るたび、僕はつぶやくのです……

「やはりジャップは土人大国だ」 と。