感想
ナポレオン文庫に先祖返りしたかのような姫様陵辱もの。中途半端にラブ寄せが入り、総頁数も薄いといいところがない。
挿絵は「うるし原智志」 トーンはちゃんとしていて、枚数も仕上げてて、エロも多め。
配分としては悪夢に4、他もろくなプレイではないので得意な方に回したというところか。

さて展開は、クーデターによって王位を簒奪したイケメンが、生き残りの王女を拷問し〜とよくある展開。
王族の粛正と国の乗っ取りという一大事が起きているが、前王は悪政だったらしく民衆はそれを歓迎し、官僚も手引きしたことを匂わせたりと若干マイルド。
拷問陵辱は序盤と悪夢以外は一竿。結局は帝笏は見つかるわラブラブになるわと丸くなる。
(叔父一家とはいえ)家族を打ち首にされたわりには姫様の怒りはまだ軽い気がする。

Hとしてはハード気味。輪姦未満やアナルやピアスなどがあるものの、なぜか終盤になるほど軟化。
悪夢パートは短く、描写も濃くないので中途半端。かといって読み飛ばすと薄い内容がさらに薄くなる。
このパートが好みな人は、正直アンソロでも買った方がいいかもしれない。

難点は…全般的にクオリティが低い。リーゼロッテを行方不明扱いにして賞金首にしておいて、密かに保護しているという設定に意味はあるのか??
鬼畜物であれば先日にヒロインをよく鳴くメス豚程度にしか思ってないものが出ているし、
純愛と鬼畜の両立も過去作で散々。その上悪夢パートがエンディングに出張ってまでトラウマを根付かせていてタチが悪い。
設定面でもリチャードへの憎悪も恋愛感情も突発的で中途半端。 イケメンだから許す?ひどい差別ですねえ。
相手は少なくとも王族7人をさらし首に、もしかしたら同じ年頃の姫や子供も処刑してるのかもしれないというのに、「殺してやる」程度で気が済むの??
近衛隊に至っては隊長を裏切り、国家を転覆させた原動力な上に、とことん見下げてぶっかけまでした相手をあっさり王妃様とあがめなくてはいけない立場に。
リチャードでさえ王族への横暴を抑えた方だそうなので、そのうち主人公二人の首が揃って転がらないことを祈る。

総じると丸く収まりすぎるシナリオと鬼畜の度合い、そして頁の薄さが相まって評価はかなり低い。
追加で1000円出して特大ポスター買った人はどれくらいいるのだろうか。