盛谷真人の古典「花瓶を挿す花」(1997年)の存在をここで教えてもらったことは
感謝してもしきれない。息子のアパートを母親が訪問、というシチュエーションが
一つのジャンルとして確立するほど可能性を秘めたものだということは
この作品のラストで既に示唆されていたんだね。

「泊まってくれば?今晩いろいろ作って冷凍してやればいい」
「……そうね。歓ぶわ あの子」