22.
コンコン、とドアがノックされる。

『母さん、キヨ子、そろそろいいかな?』
「あら、もうそんな時間」

時計の針は出発の時間に近づいていた。


玄関を開けると抜けるような青空がどこまでも広がっていて、
遠くの山々は紅く色づき始めていた。
そんな中、近所の人々が文恵の門出を祝おうと駆けつけ、取り囲んでいた。
その中にはキヨ子と同じように母嫁衣装に身を包んだ母嫁たちの姿もある。
明文は父とともに文恵の両脇に立った。

「それじゃあ、父さん」
「ああ」
「母さんもいい?」
「ええ」

明文と明文の父は文恵のショーツの両端をつまみ、下ろしていく。
家族三人、最初で最後の共同作業だ。
父と息子はゆっくりとゆっくりと、
ショーツの端がガーターのストラップの留め具に引っかからないように気を使う。
徐々にふさっとした母の繁みが全て衆目に露わにされていく。
目の前で晒される母の秘所に明文の一物がズキズキと痛いほど硬くなった。