「さて、第二ラウンドの勝負といくか」 「ああ……」
梅津弥英子はうなだれた。クリステルも同じように吊られる。
大学同級生の弥英子アナと向かい合わせた身体の正面と正面を密着させられ、爪先立ちに吊られるのだ。
白くムッチリとしと形のいい双臀が、汗にヌラヌラと光りながら、それぞれ外側を向いている。

「弥英子さん……」「クリステルさん……」
互いに名前を呼び合いながら、顔を見ることができなかった。
「フフフ、今度は題名当ての勝負だ」 フランス書院編集長がうれしそうに言った。

「もうわかるな。第二ラウンドは目隠しをして、結城文庫本のタイトルを当ててもらう。
フフフ、先に間違えたほうが負けってわけだ」
編集長がクリステルと弥英子の双臀をピタピタとたたいて言った。
「そ、そんな……不可能すぎるわ」
クリステルが泣き声をあげた。
「ガタガタ言うんじゃねえ。読書するのが好きなくせによ、クリステル」

「は、早く、クリステルに……クリステルに読ませてください」
すすり泣くような声で、おぞましい言葉を口にするのだった。
(こ、これはフランス書院文庫だわ)
長年愛読されてボロボロの感覚に、クリステルは読まされるのが黒本だと知った。
弥英子のほうは光沢ある上質な表紙の結城彩雨文庫だが、クリステルは知るよしもない。
歯がガチガチと鳴りだした。

「あ、あ……うむ、ううんっ……」
クリステルはうめいた。小さい字で古参読者の老眼へのきつさに、
クリステルのアヌスがヒクヒクと魚が呼吸するように蠢いている。
「フフフ、どんな気分だ?」編集長が弥英子に聞いた。「いいわ、とっても……挿絵があるから、いい」

唇をきつくかみしめていたクリステルだったが、苦しげに右に左にと顔を振ると、
「ああ、きつい、きつい……『女教師凌辱調書』か『女教師凌辱生活』かわからない……ううむ」
ピクッとクリステルの裸身がこわばった。
「ああ、難しい……『肛虐生贄クラブ』か『生贄肛虐夫人』かまぎらわしいのがたまらないわ……」