グラフィックデザイン 〜手作業時代がちょっと懐かしい〜

誤解されやすいのだが、ワタシは漫画描いてる延長でグラフィックデザインの仕事はじめたわけじゃなく、サムソンでデビューする前から広告業界で商業デザインをしていたのです。もっともその前は医療関係の仕事してたんだけど。

そんなわけで、ワタシがデザイナーになった頃当然の如くまだMacなど現場にあるわけがなく、手作業の世界。
サムネイルからカンプを起こして版下作って写 植オペレーターに写植の指示出して、色指定して....と今の若いデザイナーからは想像もつかないようなローテクが当たり前の、いわゆる職人の仕事だったわけです。
ある程度手先が器用で絵心がないとできない特別 な仕事。職場でMac導入後も覚えるのが面倒&手作業の方が慣れているのでしばらく手を出さなかったのだが、必要に迫られやってみるとなんとなーくひと月くらいでマスター。
以降ワタシのみならずこの業界、DTPが当然の世の中になってしまった。
今やMacとDTPソフトがあれば素人でもちょっとしたデザインらしきものが作れる時代。
でも根本的なところで違うのはワタシ達の世代、つまり手作業を体験し、修行してきた職人のこだわり。
たしかにDTPから入った若い世代の感性もすげーなーと思うモノも多いんだけど、微妙にツメが甘かったり、意外に完成度が低かったり...要はMacにデザインさせられてる感じに疑問を持つか持たないか、だと思う。
多分ワタシの世代(30代半ば) が手作業知ってる最後の世代だと思うが、DTP全盛の今、昔が懐かしかったりする。だからといって手作業したいかといえば、絶対イヤ(笑)。
大変だもん。ただその大変なモノをやってきたという自負はある。まあそこで「この程度でいいか」と思ったら終わり。
ワタシは同世代のデザイナーにはマジでエールを送りたいと思う。わけえのとは鍛え方が違わぁ!って感じですか?べらんめえ!なワケです。頭フケないようがんばりましょう。

(2003.5.16 UP)