藤邑由美子は今度はコールセンターに派遣されている。
ポルノショップよりはましだった。
電話が鳴った。
「はい、カスタマーケアセンター、藤邑です」
『南無妙法蓮………』
「はい?」
『南無妙法蓮………』
「こちら、カスタマーケアセンターですが?」
『南無妙法蓮………』
たちの悪いイタズラ電話だと思った。持ち前の気の強さが出てきた。
「用件がないのでしたら切りますわ」
『魔性の女だ。フフフ、御仏につかえる拙僧が、その魔性の肌に仕置きをしてくれるぞ』
「どうやって私に仕置きをするのですか。あなた、気は確かかしら?」
「南無妙法蓮………成仏するのじゃ、藤邑由美子」
驚いて由美子が振り返ると、携帯を持った五十がらみの坊主が立っていた。

「ど、どでんした!?」
「理由や理屈なぞないわい。この世界は、銀行強盗するのに7リットルの浣腸液タンクを背負って突入したり、チン長3センチのゴリラが巨根とか、ロバと再婚とか、ブクブクに太っていた元軍医がいつのまにかミイラみたいに痩せこける不条理の連続なのじゃ」
そう言って坊主はバスケットからつかみだした蛇を秋田美人のアナルにねじこんでいく。

「泣け、泣けい。泣いてマゾ女としての悟りを開くんじゃ……ん、蛇が死におったぞ?」
「ああッ……ああうッ、秋田の県魚ハタハタをおけづのながで発酵してらがら……」
蛇の刺激で腸がゆるみ、由美子は大放屁した。
くさやに似た発酵したハタハタ寿司の強烈な臭気が顔面を直撃して、坊主は倒れた。
「南無妙法蓮……」由美子は坊主に向かって合掌した。