単なる「可愛らしい清純な処女」という記号ではなく、
被害前、被害後のヒロインの人生を思わずにはいられない蘭先生の筆力の凄さ。

ところで蘭先生は犯される女性の苦しみを女性の視点からも描くことが多かったけれど、
「夏服を着た少女」の三島華子はほとんど加害者目線でしか描かれていない。
それなのに華子の味わったであろう恥ずかしさ、怖さ、痛さ、悲しさや絶望がひしひしと伝わってくる。
ペッティング、セーラー服とスリップとブラジャー剥ぎ取り、ペッティング、スカートめくりからのスカート剥ぎ取り、ペッティング…。
この段階で失神してしまうのが痛々しい。
これ以上の苦痛を受けたら心が壊れる、そのために意識をシャットダウンしてしまう最後の心理的防御反応。
どうすれば女の子が痛がるか、恥ずかしがるか、怖がるかを熟知した沖田と俵は、
そんないたいけな華子を起こしていきなり往復ビンタを食らわせ、罵声を浴びせながらフェラチオ、セックスへと暴力をエスカレートさせていった。
この子は家に帰された後、男であれば父親にさえ傍によられると全身が硬直して知らぬ間に涙が流れるようなPTSDの状態になってしまったはず。
そして、最後は…。