「聞きましてよ? ウィルクは亡くなったガーダクル義兄様に似た気質を持っていると。ルークセ様も喜んでいました。ルークセ様は、ガーダクル義兄様のことを心から慕っていましたからね……」
ルークセ様こと父は、兄のガーダクルと本当に仲が良かったようだ。
「わたくしはガーダクル義兄様とはほとんど会ったことはないのですが、お優しい方のようでしたからね……」
「そうなのですか?」
「……ウィルクも知っているでしょうけど、わたくしとルークセ様の間には、なかなか子ができなかったのです。
わたくしは石女なのではないかと、あの頃はいつも悩んでいたものです……。
嫁に来ておきながら嫁ぎ先に養子を取らせるなど、貴族の娘としては最も情けないことですから」
「そのようにわたくしが思い悩んでいるときに、ルークセ様がとても優しい言葉をかけてくださったのです。
後から話を聞くと、それらの言葉はガーダクル義兄様が生前によく口にしていた言葉だったそうです」
早く子を産まなければ、と、切羽詰まっていた母にとって、父のかけた言葉の数々がとても嬉しかったそうだ。
そしてそんな考えを父に教えた義理の兄に、心から感謝の念を覚えたのだという。
プレッシャーが減って心から父を愛するようになった母は、その後に見事に懐妊した。
「……そうして生まれたウィルクが、ガーダクル義兄様と似た気質を持っているのですから、運命の巡りを感じるようでとても嬉しく思います。それに、貴族としても誇らしいことですよ」
抜粋ここまで
ガーダクルと会ったことがあるって多分少女の頃だと思うよ