私の妻がある日ご馳走してくれた
初めてのとり天定食。
それはジョイフルの定番メニューで、
私は34才でした。

それはサクサクでうま味がジューシーで
こんな素晴らしいとり天を食べられる私は
きっと特別な存在なのだと感じました。

今では私はラレ男のバツイチ。
私は特別な存在ではなかったのです。
…だって、妻も、とり天定食も、もうここには居ないのだから。

                              ――Fin