「まあ、やってやらない訳ではないけどな」その言葉にアレクは驚いた。
「ホントに?」
「ああ、その代わり、俺もお前んとこの母さんを指名して良いか?」返って来た言葉に目を丸くする颯太。
流れの経緯上、颯太の言葉に乗る形にはなったが、実は本来、佑真が持ち掛けようか悩んでた提案だった。
まさか颯太も同じ思いだったとは想像だにしなかったから。
性を意識し始めた時から宿主は颯太の母佳奈だと決めていた。
佑真に性を意識させたのは他でも無い佳奈だったから。
佑真にとって異性の象徴は颯太の母佳奈本人だったのだ。
でも親友の母親を宿主に指名すると言うのは勇気がいる事だ。
それを颯太が切り出してくれたのだから渡りに船だ。
「ホントに俺の母親で良いのか?」颯太が聞き返す。
「ああ、構わないよ。その代わり俺もお前の希望をサポートするよ。」
「お互い共同戦線を張ろうぜ。」
こうして二人の密約が結ばれた。