0185名無しさん@ピンキー
2024/06/13(木) 01:28:02.42ID:xTZwo5M0電話が鳴る。いつも肌身離さずに持っている「家族専用」の電話が…。
何でこんな時に…。そう思いながら、二人を見送ってから見ればいいとわかっていながら、私は電話を手に取っていた。
「……あの人からです…」
着信メッセージを確認して、私は小さな声で夫に告げる。夫の顔からすっと笑顔が消えていく。
「……何だって・・・?」
落ち着いた声で尋ねる夫に、私は短い間に何度も何度も見返したメッセージの内容を伝えていく。
「…次のステージの…日取りです…」
その言葉一つ一つが、夫を苦しめ、悲しませる事をわかっていながら…。
「…今夜から…仕込み…に入って…週末のステージまで…すっと……」
非情にも、続けていく……。
「帰りは…週明けに……」
ステージが終わった後、あの人はいつも私を愛してくれる。ステージが良かった時は、それを労うかのように…
ある時は激しく…ある時は優しく…ある時は拘束し…ある時は私から…幾つもの淫らな道具が使われて…何度も何度も……私がもう立ち上がることも出来なくなるまでも……。
「…遅く…なります……」
最後に、私はあの人からのメッセージにはなかった言葉を付け加えていた。
残酷な告知を夫は黙って受け取っていた。そして…。
「……わかった…」
悲しげな声。わたしは顔を伏せ.小さく身体を震わせる。
「…早く…会いたいかい…?アイツに…」