>>73
涼子は浅い眠りの中、夢をみていた
朝、制服に着替えた自分を、手際良く朝食の片づけをする母と出勤の準備をする父に、優しい笑顔で見送られ家を出る自分、教室で友人と談笑する自分、そういったいつもの穏やかな風景の夢が涼子を和ませていた
ほっと安堵している涼子の意識が、徐々に清明になっていき、暗闇の世界に戻されていく
目を覚ました涼子は、まだ悪夢のような現実が続いていることを自覚し、血の気が引いていくのを感じた
彼女は両脚を大きく開かされていることに気づき、閉じようとするが、ピクリとも動かすことができない
それでも彼女は白い裸身を左右に揺らし必死にもがき始めた
いま涼子は、両脚の内側から両腕を通され、下腿と前腕を合わせて縛られて、いわゆる蟹縛りの状態にされており、脚を閉じることはできず、乙女の恥ずかしい部分がさらけ出されていた
「おう、やっと目が覚めたか」
明が涼子の覚醒に気づいた
「ああ……もうやめてください……ほどいて……お願いします」
目隠しのまま、男の声のする方に顔を向け、小さな声で懇願する
「いや、まだまだ涼子ちゃんにやりたいことがたくさんあるんでね」
明の言葉に涼子は絶句し、ふたたび深い闇に落とされた思いになった