健司は彼女の懇願に応え、荒々しく腰を動かした。ベッドのスプリングが軋み、シーツが乱れる中、彼は金で買ったこの瞬間が自分の人生の頂点だと感じていた。
しかし、美咲の身体が熱を帯びていくにつれ、彼女の瞳に宿る何かを見逃していた。そこには打算と、ほのかな反抗が潜んでいた。

翌朝、健司がシャワーを浴びている間に、美咲は彼の財布からさらに札束を抜き取り、バッグに忍ばせた。彼女は鏡の前で髪を整えながら、独り言ちた。

「77億円なんて一生遊んで暮らせるお金……私だって少し分けて貰ってもいいよね?」

健司がバスルームから出てきた時、美咲はすでに愛らしい笑顔を浮かべて彼に寄り添っていた。彼女の指先が彼の胸を撫でるたび、健司は新たな欲望に火がつくのを感じた。

「おじさま、私のこと気に入ってくれた? また会いたいな……」

その言葉に健司は頷き、彼女の唇に吸い付いた。金が尽きるまで、この狂宴は続くのだろう。
彼は知らなかった。美咲が次の「パパ」を探し始めていることを。そして、77億円がどれだけ早く溶けるかを。