バトル・ロワイアル 【今度は本気】 第8部
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常に【sage】進行でお願いします
※ルート分岐のお知らせ
前スレ>>238「生きてこそ」以降、3ルートに分岐することとなりました。
ルートAは従来通りのリレー形式に、
ルートB、Cは其々の書き手個人による独自ルートになります。
経緯につきましては、新・総合検討会議スレの886以降をご参照ください。
透子を振り払った。その実感に知佳は安堵した。
安堵はエンジェルブレスの安定をもたらした。
故に知佳は無思慮な上昇を止めた。
透子は、すぐにテレポートしてきて。
透子は、すぐにしがみついてくる。
そう予想し、身構えた知佳の元に、しかし透子は現れなかった。
―――ぱちゃ。
下方から。地面から。
水風船が弾けたかの如き音が届いた。
小さい音であるにも関わらず。
知佳の耳に、はっきりと聞こえた。
いや、聞こえる筈はない。
それは、幻聴であった。
或いは、予兆であった。
虫が知らせた不吉の調べであった。
透子が噛んでいた腕が、痛む。
前歯の一本が、そこに刺さったままになっていた。
―――透子はまだ、現れない。
また、戦法を変えて来るのか。
そんな空々しいことを夢想しても。
―――透子はまだ、現れない。
透子を殺す心算は無い。
そう誓ったのは、果たして誰であったか?
―――透子はまだ、現れない。
肉弾戦になったとき、確かに思ったはずだ。
透子を振り払い、突き落とすのだと。
それは、殺意なのではないか?
―――透子はまだ、現れない。
自分は友の希望を踏み躙って。
裏切って。
誓いを破って。
その果てにこの状況が、ある。
―――透子はもう、現れない。
顛末を見届けること。
それは自分の責任であるのだと、知佳は覚悟を決める。
目を背ける訳にはいかないと、知佳は自分を激励する。
無防備に瞑目。
深呼吸、数度。
知佳は瞳を閉じたまま、降下する。
下りること80m余り。
深呼吸、数度。
そこで知佳は漸く震える瞼を開いて。
目線をゆっくりと、下方に移す。
「ああっ……」
花が、咲いた。
地面に撒き散らされた透子を見た知佳の、感想である。
御陵透子は―――
加速度に、決して離さぬはずの知佳から引き剥がされ。
遠心力に、テレポートを思う間もなく意識を刈り取られ。
重力に、100mの上空から、身構え無しに引っ張られ。
緑の草原に、鮮やかな薔薇の花を咲かせたのである。
その命と、引き換えに。
《きゃはははは! 知佳ちゃんの、かちー♪》
【御陵透子:死亡】
―――――――――主催者 あと 3 名
↓
(ルートC)
【現在位置:J−5 地下シェルター付近 上空】
【仁村知佳(40)】
【スタンス:主催者打倒
@ザドゥと芹沢を殺す
A手帳の内容をいくつか写しながら、独自に推理を進める
B恭也たちと合流】
【所持品:テレポストーン(2/5)、まりなの手帳、筆記用具とメモ数枚】
【能力:超能力、飛行、光合成、読心】
【状態:疲労(小)、精神的疲労(小)、出血(中)、銃創(脇腹)、念動暴走(小)】
【備考:定時放送のズレにはまだ気づいていません。
手帳の内容はまだ半分程度しか確認していません】
※透子のグロック17は落下の衝撃で大破しました。
※魔剣カオスはレプリカ智機N−21が持っています。
仁村知佳には、二重の戒めが掛けられている。
戒めの一つは、ピアスである。
念動力の出力をコントロールする際の補助具であり、
知佳の意思によらぬ力の遺漏を閉じ込める役割を持っている。
透子の契約のロケットに類するアクセサリーである。
戒めの二つは、内服薬である。
体外に発散できぬエネルギーは精神を不安定にさせ、臓器に負担を掛ける。
薬とはそれらの不調を押さえ、緩和する為の処置であり、
種類は十を越え、一日あたりの摂取量は100gにも達している。
戒めは、知佳の平和な生活を保障する手立てであった。
戒めは、知佳が愛する者を傷つけぬ為の手段であった。
その戒めが、今は無い。
ピアスは砕けている。
内服薬も、二日も摂取していない。
それでも、知佳の心が穏やかであるならば。
知佳の頭が冷静であるならば。
その意思で以って、ある程度の暴走を押さえ込むことが出来る。
内にエネルギーを溜め込み、耐えることが出来る。
それが、透子と死の鬼ごっこを開始するまでの、知佳の状況であった。
現在の彼女は……
=-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-=
(ルートC・2日目 PM11:30 J−5地点 灯台跡)
ぴしりぱしりと、静電気が走るかの如き音がしていた。
さくりがさりと、砂を蹴散らすかの如き音がしていた。
「はあ、はあ……」
光差さぬ灯台跡にたどり着いた小さな光は仁村知佳。
血に塗れた脇腹を押さえ、息を荒げて。
ふらふらと危なげな足取りで歩いている。
件の音は、その知佳の周囲で鳴っていた。
静電気が走るかの如き音とは、大気が切り裂かれる音である。
砂を蹴散らすかの如き音とは、瓦礫が砕ける音である。
よく目を凝らせば―――
念動力の視覚的特長である、薄い油膜の如きうねる虹色があった。
知佳を中心にアメーバの如き伸縮を見せていた。
その伸びる先で、次々と、大気と瓦礫の破砕が発生しているのである。
行為に意味などない。
知佳は、大気や瓦礫を壊そうとは考えていない。
そもそも、そんな無象に意識を傾けてはいない。
念動力が暴走しているのである。
暴走とは破壊の権化と化すを意味する。
外界に遺漏する念動力が、老若男女善人悪人動物植物器物建物
あらゆる全てに分け隔てなく、押し捻り拉ぎ潰すのである。
こうなることを、以前の知佳は忌避していた。
今の知佳は違う。
透子を殺してしまった罪悪感に、
不殺の誓いを破ってしまった自責の念に、
知佳の心が、ささくれ立っている。
暗澹たる想いが高揚している。
故に暴走の現状を、知佳は受け入れている。
制御するを捨て、荒々しい感情の為すがままにしている。
常に内に向かっていた力が、外に向かっている。
押さえ込んでいた心の壁を、取り払っている。
「はあ…… はあ……」
凶弾に穿たれた脇腹から、出血は止まらない。
それがかなり危ない状況に差し掛かっているのだと、知佳には判っていた。
逆に、直ちに適切な止血と処置を行えば、命に別状無いことも判っていた。
それでも、知佳は止まらない。
どこまでも、シェルターを目指して進んでゆく。
(ひとまず殺す。必ず殺す。少なくとも殺す。一度は殺す……)
知佳は、固執している。
殺してはいけない透子を殺してしまった自分には、
目的の為に踏み躙ってしまった自分には、
その目的を果たす責任があるのだと、
ザドゥと芹沢を殺す義務があるのだと、
この身と引き換えにでも為さねばならぬのだと、
そのような考えに凝り固まってしまっている。
強い責任感の、負の側面に支配されている。
「……ここだね」
知佳の眼前にはシェルターのドア。
遂に知佳は目的地にたどり着いた。
固く閉ざされたそれが、最後の関門であった。
=-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-=
「No。透子も分機たちも無用心なことだな。
扉も閉めずに、敬愛すべき首魁様と同僚を放置するなどとは」
シェルター内で爪を噛み噛み、独り言を呟くのは椎名智機。
彼女の白衣は埃や泥に穢れ、インナーは絞れるほどの汗に塗れ、
硬質な髪までも鳥の巣の如く乱れていた。
一目に判るほど、憔悴の色を濃くしていた。
30分ほど前。
地下道を抜け、I−4に巧妙に隠してある出入り口に姿を現した智機は、
ジンジャーを静音モードに切り替えて移動した。
怯えながら、慄きながら、そろりそろりと息を潜めて移動した。
安楽椅子管理者・椎名智機が戦場に身を晒したのは、
実は、この二日間で初めてのことであった。
恐ろしかった。
不安だった。
生きた心地がしなかった。
漸く地下シェルターにたどり着いてみれば、透子もレプリカも居なかった。
ベッドに眠る芹沢と、ベッドから落ちて眠るザドゥしかいなかった。
智機を守ってくれる存在は、盾となるべき存在は、そこに無かった。
故に智機の不安は解消されず、故に智機は爪を噛んでいる。
「今ここで誰かに襲撃されたら……」
誰か、と、智機は対象を特定せずに口にはしたものの。
首輪を解除した六人は、本拠地跡に向かっているか魔獣と対峙しているであろうし、
しおりも森の中で泥の様に眠っており、暫くは目覚める様子もなかった。
候補となるべき対象者は一名しか該当しない。
「参加者40・仁村知―――」
がちゃがちゃと。
シェルターの扉のノブが二度、回された。
「鍵、掛かってるね」
次いで、幼い声が聞こえた。
智機はすぐさま声紋認証を行う。
「知らない場所だから、テレポストーンも使えないし」
幼い声は続ける。
智機は平行して配布アイテム情報を検索する。
「うん。扉、壊そう」
(声紋確認。アイテム情報一致。―――判断確定)
扉の向こうにいるのは40・仁村知佳である。
噂をすれば影が差す。
諺は時に真実を示す。
智機の漠然と予感していた最悪の事態が、現実として差し迫っていた。
「だ、大丈夫さ、大丈夫。
このシェルターは某国の大統領が所持している物と同規格。
地震で有ろうと爆撃であろうと耐え切る設計さ。
たかが念動力程度、恐れるものではないよ!」
饒舌は不安の裏返しであった。
トランキライザは勤勉に働き、恐怖感は丸められたが、
それは恐怖の限界値にての安定を得られたに過ぎぬ。
智機は身を竦め、様子を伺う。
「Yes、大丈夫、大丈夫……」
しかし、その不安が現実となることは無かった。
叩きつけるような音が数度。
引き裂くような音も数度。
音はその度毎に大きくなっていくが、それだけであった。
「はあ、はあ…… やっぱりダメだよ。私のちからでも、壊せない」
知佳の破壊を諦めたかの如き口ぶりに、智機は胸を撫で下ろす。
このシェルターを逃亡先に選んだ自分の慧眼を褒めてやりたい。
自己肯定感が不安の情動パラメータを緩和させ、心に若干の余裕が生まれる。
しかし智機は再び凍りつく。
「じゃあ、扉を壊さなくてもいいか。中身を、壊そう」
扉の向こうから、不可解かつ不吉な作戦変更の宣言が為された故に。
変化はすぐに発生した。
家鳴りの如きラップ音と共に、振動が発生したのである。
最初、智機はそれを地震なのだと判断した。
しかし、違った。
揺れているのは室内そのものであり、空間であった。
(これは……?)
まず、ボールペンが机の上で踊った。
次いで、ハンドライトや置時計の、小物電化製品が小刻みに震えた。
テレキネシスによる乱気流が、にわかに発生しようとしていた。
爆撃も大地震も洪水も防ぐ重厚な扉をいともあっさり透過して、
その力の奔流が、室内に流れ込んできたのである。
(No! 念動力には、こんな使い方があったというのか!?)
机の上で踊っていたはずのボールペンが、天井に突き刺さった。
ハンドライトは浮揚し、置時計は壁に叩きつけられ、大破した。
智機の白衣とスカートは捲れ上がり、ザドゥと芹沢が横たわるベッドは軋んだ。
力の奔流は益々強まる気配を見せている。
「に、仁村知佳! 取引をしよう!」
智機が声を裏返して、叫ぶ。
論理演算回路が状況を正しく把握し、正しく予測した故に。
シェルターの出入り口は、知佳が立ちふさがる扉、ただ一つ。
この念動竜巻から逃れる手段が、今の智機には見出せなかった故に。
「……その声には聞き覚えがあるよ。あなたロボットの人ね?」
「ああそうだ。ロボットだ。オートマンだ。椎名智機という」
「椎名さん。あなたがそこにいてくれて良かったよ。だって……
三人も纏めて殺せるんだから!!」
知佳は智機の提案に耳を傾けない。
智機の存在を把握して、却って破壊衝動を色濃く表した。
「きみを優勝させてやる! そのためのあらゆる支援に尽くしてやる!」
局所的ツイスターは勢いを増してゆく。
小型軽量のあらゆる道具や調度が、渦巻く嵐に飲み込まれている。
もう、智機は立ってなどいられない。
ベッドの足にしがみ付き、奔流に抗うのが精一杯である。
「私は透子さんを殺しちゃったから……
その妨害を乗り越えてここに来たんだから……」
有り得ない言葉が、知佳の口から漏れていた。
まさか、という思いが智機の脳内を駆け抜ける。
(透子が、死んだ…… だと!?)
あの底知れぬ透子が。
瞬間移動を使いこなす化生が。
自分が唯一恐れる同僚が。
既に殺されていようとは。
この少女にそこまでの力が備わっていようとは!
「だから、私は、貴女たちを殺さないわけにはいかないんだよ。
だから、私は、透子さんを殺した責任を取らなければいけないんだよ」
知佳の理論は破綻している。
前後の関係のつながりが断絶している。
それでも智機にははっきりと判った。
その意志を短時間の間に曲げる事は不可能であると。
その不条理な理を唯一絶対の掟としているのだと。
「全部ぐちゃぐちゃにかき混ぜてあげるよ。
部屋の中をジューサーミキサーにしてね。
あなたも、ザドゥも、芹沢も、みんな、
ミックスジュースになっちゃえばいい!」
無軌道に、奔放に、室内は荒れ狂う。
ああ、ついには智機すら。
ああ、ザドゥや芹沢すら。
渦巻く念動に捕らわれて、その身を宙に浮かせてしまった。
智機は安定した思考能力を失ってしまった。
制動系の安定に、メモリの大部分を確保された故に。
そうして壁に叩きつけられ、天井に叩きつけられ、床に叩きつけられ、
ザドゥや芹沢と衝突して、家具や家電と衝突して。
擦れ、崩れ、潰れ、千切れ、砕け―――
やがては知佳の宣言どおり、ポタージュスープと成り果てるのであろう。
=-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-=
XX(ダブルエックス)障害者の暴走とは、超常のリミットブレイクを意味する。
知佳の読心力もまた限界を突破し、その射程距離を伸ばしていた。
意志に関わらず、範囲内に存在する者の心が勝手に流れ込んで来る。
【No私の体が浮いているオートバランサーが制御不能にな】
【った制動系がメモリを占拠する思考にリソースを割り当て】
【られない交渉しなければ仁村知佳を止めでもメモリが思考】
知佳は扉の向こうからの智機の混乱ぶりを読み取って、揺るがぬ勝利を確信する。
智機に反撃の手は皆無であると読み取って、目的の達成を確信する。
通常の念動での戦いには自覚的な制動が必要である。
しかし、今の知佳にそのコントロールは必要はない。
精密な動作も狙い定めも必要ない。
部屋の中の何を巻き込もうと、
部屋の全てが壊れようと、
その中にいる無抵抗の三人を殺せば良いだけであるから。
ただ、猛るテレキネシスを、感情の昂ぶるままに暴れさせればよい。
【 間に合った? ザドゥたちは無事? 】
背後に突然発生した第三者の思考。
同時に知佳の身体に電流が走った。強烈に。
「……っ!?」
電流とは、比喩ではない。
いつしか接近していたレプリカ智機のスタンナックルを、
知佳は無防備なうなじに受けたのである。
100万ボルト×25ミリアンペア×1秒。
その衝撃は命を奪うほどのものではないが、
全身を麻痺させるには十分な威力であった。
知佳の腰が砕ける。
念動の嵐が解ける。
レプリカ智機・N−21の追撃は、手にしたカオスによる袈裟斬りであった。
麻痺する知佳の体に、それを回避する力は無い。
知佳の右鎖骨から胸の中心に掛けて袈裟懸けに、ずん、ばらり。
《浅いぞ!》
知佳の肩から胸に、斜一文字に、鮮血が飛び散る。
しかし、深手とはならなかった。
カオスの言葉通り、浅い斬撃であった故に。
智機の運動能力は、文科系の平均的な女学生並に設定されている。
非力極まる透子ほどでは無くとも、カオスの重量は手に余るものであった。
「……」
ふらつくN−21を尻目に、知佳の背に熱量が膨れ上がった。
光と共に翼が展開された。
それはもはやエンジェルブレスなどと呼ぶも憚られるほど濁っていた。
天使の羽根ではなく堕天使の羽根であった。
意図を察したN−21が再び体勢を整えるが、
その動きに先んじて翼がはためき、知佳が浮揚する。
そして飛び去る。海岸線に沿って、北へと。
麻痺した首を、腕を、足をだらりとたらして。
翼だけを動かして。
知佳は猛禽類に運ばれる死せる獲物の如き様相で、飛び去ってゆく。
《ありゃりゃ、何で体が動くんじゃ? 知佳ちゃんはビリビリで痺れとったじゃろ?》
「念動は、肉体反応と別」
N−21の短い言葉が、全てを説明していた。
麻痺しようとも、切り刻まれようとも。
意識さえ保たれているのならば、生命のインパルスさえ発生すれば。
念動力は、発動するのである。
《追わんでええんか?》
N−21は、カオスの問いに答えることなく、姿を消した。
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空を逃げる知佳は、己の不覚を悔やんでいた。
(あんなのに、やられるなんて……)
マインドリーディングは全方位に広範囲に、無造作に展開していた。
機械の心をも読める事は、シェルター内の智機本体により証明されている。
だのに、N−21は、その網に掛からなかった。
すぐ背後から麻痺攻撃を仕掛けてくるその時まで、聞き取れなかった。
無心であった筈は無い。
事実、電撃の直前には心の声を把握できていた。
で、あるならば―――
(テレポートでもしてきたの?)
ありえない話ではない。
知佳の配布武器、テレポストーンを用意したのは主催者である。
故に、彼女らが所持していることになんら不思議はない。
(でも……)
でも、何であるのか。知佳には解答は結べなかった。
しかし消化しきれぬ違和感が、知佳の胸にしこりとなっている。
逃走を選択したのも、命惜しさではない。
このしこりと同根の何かが、留まるを忌避させたからである。
N−21と戦いたくはないと。
戦うべきではないと。
知佳はなぜか直感し、確信していたのである。
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N−21は、念動の嵐が収まった室内に現れた。
鮮血を滴らせる魔剣を肩に背負って現れた。
ベッドから放り出されて尚眠るザドゥのすぐ脇に現れた。
シェルターの扉を開けることなくして現れた。
《カモちゃんとザッちゃんは無事かの?》
カオスが心配の思念波を発する。
N−21はザドゥのと芹沢の脈を取る。
マイクロ乱気流の衝撃から未だ覚めやらぬ智機は、
一機と一本の遣り取りを、漠と眺めている。
「……生きてる」
《やー、間一髪じゃったな》
漸く混乱から脱したらしい。
智機がひび割れた眼鏡を掛け直し、目の前の分機に問いを発した。
「N−21か……?」
透子は理論的に分析する。この分機が行った、空間跳躍に至るプロセスを。
手がかりは、二つ。
N−21の手には新鮮な血が絡む魔剣カオスが握られているということと、
知佳の攻撃が止んだのは、N−21が登場する直前であったということ。
結論は、すぐに出た。
「貴機は、知佳からテレポストーンを奪ったのだね」
アイテムの選定・管理者でもある智機は把握している。
テレポストーンに在庫は存在しない事を。
知佳が持つものが全てである事を。
故に、この結論は自明であった。
そうでなければならなかった。
しかしN−21は、智機の結論を否定した。
オートマンらしくない間延びした、気怠げな発音で以って。
「のー」
否定された智機はN−21を観察する。
眼前でザドゥをベッドに戻そうと苦心しているN−21を。
新たな可能性を見出す為に、新たな情報を得るために。
その傍観者ぶりが気に入らぬのか、N−21は智機を手招いた。
「ぼーっとしてない」
「手伝う」
智機は、手招くN−21緩慢な動きに違和感を覚えた。
智機は、向けられたN−21の光宿らぬ瞳に記憶を喚起された。
智機は、N−21の途切れ途切れの言葉運びに言い知れぬ恐怖を感じた。
「はやく」
その白衣の胸元に掛けられたアクセサリが、鈍い光を反射した。
ひび割れた、銀のロケット。
「貴機は…………………………………………
…………………………………………透子なのか?」
視覚情報を信用するのならば。
それは、透子ではない。
それは、智機であった。
機体信号を信用するのならば。
それは、透子ではない。
それは、智機であった。
あらゆる観測データがそれをN−21であると裏付けている。
あらゆる論理演算がそれをN−21であると結論付けている。
それなのに。
問答無用に。
なぜか、智機には判った。
目の前の姉妹機は、姉妹機ではないのだと。
姉妹機でありながら姉妹機のみではないのだと。
「いえす」
N−21はおちょくるかの如き口調とは裏腹に、
無表情に、焦点の合わぬ茫とした眼差しで、
智機の言葉を肯定した。
その物腰は、全く透子のものであった。
「語彙が辞書ツール依存」
「……ちょっと違和感」
Yesと、Noと。
言葉の短さは確かに透子らしくはあれど、透子らしからぬ言葉の選択は、
どうやらオートマンの機能故らしい。
「はやく手伝う」
エラーが、エラーが、エラーの嵐が、智機を襲い混乱させる。
聞き分けのない論理演算回路がN−21=透子を認めない。
条件式の不備を理由に、その結論は成り立たぬと聞く耳持たぬ。
結論だけが先に存在している。
この矛盾を解決せぬ限り、智機は負荷を蓄積してしまう。
軽減されぬ負荷は、やがて智機を熱暴走に追いやってしまう。
それは、智機の自業自得であった。
透子の『世界の読み替え』に対する機能制限がかかっていなければ、
透子の変化を、当たり前の事実として受け入れられたのであるから。
疑問を挟む余地などなく、問答無用で理解させられたのであるから。
とまれ、知佳のサイコキネシスが外界に対する台風であるならば、
透子の今の在り方は智機の内界に対する嵐である。
共に劣らず智機の【自己保存】を脅かせる脅威であった。
「Yes、Yes、Yes。
納得は出来ないが理解はした。君は透子だ、間違いない。
しかし、私の条件式と演算回路ではその解に辿りつけないのだよ。
どうだろう。
私が過負荷で熱暴走する前に、こうなるに至った事情など、
説明していただけないかね?」
諧謔でも慇懃無礼でもなく、智機にしては、相当に謙った懇願であった。
しかし、この新たな透子は、その下手にでている智機に対し、
気怠げな表情で不平を伝えたのである。
「えー…… 長いし」
「喋るの面倒」
智機は更に謙る。慣れぬ愛想笑いが彼女の頬を引き攣らせる。
「そこを曲げて、頼みたいのだよ、New透子…… さん
貴女もその体になったのなら、エラーの放置が致命的な結果を招くことは
把握されているだろう?
意地の悪い事は言わずにどうか、情けをかけてくれ給えよ」
今、彼女の内界で生じているエラーの嵐を解決するということは、
プライドの高い智機をそうまでさせる必要性があったのである。
「あ、そうだ」
「送ればいいんだ」
発言と共に、透子のカチューシャの触角が点滅し、智機のそれも明滅した。
無線LANによる、データ転送である。
機械同士ならではの、効率的な情報伝達手段であった。
「Yes、感謝するよ。New透子さん」
感謝の言葉と共に、智機は送られたプレーンテキストをオープンする。
それは、御陵透子が如何にしてN−21となったのか、
その出来事を抽出した、僅か二秒の、しかし濃密なログファイルであった。
=-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-= ・ =-=-=-=-=
(ルートC・2日目 PM11:25 J−5地点 灯台付近・上空)
今、御陵透子は落下している。
仁村知佳の高速飛行により発生したGに負け、意識を失っている。
二秒後に透子は地面に衝突し、原型を留めぬ程に潰れ、飛び散る事になる。
(私は……)
その二秒の間に、思惟生命体―――【透子】が、目覚めた。
より正確には、御陵透子の脳内で共生関係を結んでいた【透子】が、
透子という宿主が気絶しているにも関わらず、思考していた。
(御陵透子じゃ、なかった)
【透子】は、勝沼紳一に感謝した。
もし、勝沼紳一が気絶せし透子に憑依しようとしなければ。
思惟生命体は、【透子】と透子の区別を喪失したまま、
ここで共に朽ちていたであろうから。
自覚が、芽生えていた。
何百万年も【透子】は透子として生きており。
強く共生しすぎた余りに、思惟生命体と人間との区別が曖昧となっており。
【透子】の記憶を保ったまま転生を繰り返したことにより、
本来の肉体の主である透子が自我を発達させることは無く。
【透子】と透子は、融合したといってもよい状態で安定していた。
そこに。
紳一という名の楔が、打ち込まれたのである。
この楔が【透子】の【透子】たる自覚を促した。
この楔が【透子】の透子との差異を認識させた。
(死ねない―――)
(喪われた私の意味を)
(取り戻すまで)
御陵透子は落下している。
地面に衝突するのは一秒後である。
加速して、墜落する。
【透子】は、知っている。
この恐怖を、知っている。
これを、乗り越えている。
遠い遠い過去―――
彼女たち思惟生命体が群生し宿っていた恒星間宇宙船は、
流浪の果てに地球に不時着するを仕損じている。
墜落し、大破している。
その大災厄を、【透子】は多くの仲間と共に逃れている。
(……【共生】)
思惟生命体とは、姿無く、形なく、実体も無い生命体である。
単独では存在できぬ、曖昧な生命体である。
その思惟生命体が生きる術は、他者との【共生】にあった。
思考する能力のある物質/生物に宿り、その頭脳を間借りすることで
思惟という生命活動を送ることを可能とするのである。
遭難した【透子】たちは、この本能に従った。
地球に巣食う原生動物に。
思惟生命体が共生可能な程度には頭脳を発達させていた黎明の人類に。
その【共生】先を、移したのである。
1km以上の距離を隔てた彼らの群れに電波の如く飛び係り、
その脳に問答無用で共生したのである。
御陵透子は落下している。
地面に衝突するのは間も無くである。
しかし【透子】の思惟から焦りは消えていた。
自覚を取り戻し、記憶を蘇らせ、方策を得た故に。
もう、目星すらついていた。
【透子】は気づいている。
透子の視覚にも聴覚にも頼らず、単独で発見している。
距離にして200m西に存在する、新たなる【共生】先の存在を。
カスタムジンジャーを走らせ、学校跡からシェルターへと向かう存在を。
数分前に魔剣カオスとグロック17とをトレードした存在を。
御陵透子は地面に衝突した。
命が失われた。
しかし、その飛び散った脳には【透子】は存在しなかった。
【透子】は既に、【共生】先へと飛び掛っていた。
それは、易かった。
クマノミがイソギンチャクに潜むが如く。
コバンザメがジンベエザメに貼り付くが如く。
思惟生命体が共生の本能に従う―――
それだけのことであった。
さらに述べるならば。
【透子】とは元々機械より生じた生命現象であり、
このN−21はオートマンなる機械知性体であり、
その知能は、智機のAIは、
炭素系生命体の脳よりも遥かに寄生しやすく、
遥かに支配しやすく……
【透子】にとって良く馴染むものであった。
(AIがっ!?)
抵抗は一瞬。ワンセンテンス。
それだけでN−21は沈黙した。
そうして思惟生命体は、レプリカ智機N−21のAIに侵入し、
いとも容易く支配を完了し。
新たな透子としての機械の体を、得たのである。
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(ルートC・2日目 PM11:50 J−5地点 地下シェルター)
記録を読み終えた智機は震えていた。
恐怖でもある。
感動でもある。
透子に対するリスペクトとヘイトが、矛盾無く生じたのである。
透子の本体とは、機械より生じた生命体である。
智機と根を同じくし、何十万年も先行したモンスタースペックを有し、
さらには、自力にて機械というハードの制約を乗り越えた。
それは脱機械を目論む智機にとって、憧れと羨望の対象と映った。
それが、リスペクトである。
しかし透子とは、N−21に為した様に、共生する。
共生といえば聞こえはいいが、実質憑依である。
意志のハイジャックである。
しかも、殺しても、壊しても、意味が無い。
直ちに新たな共生先に移るのみである。
それが、ヘイトである。
「透子…… 様」
その二つの念を以ってして、表れは一つであった。
服従、である。
【自己保存】は最大出力で叫んでいた。
決して、この機械の神には、逆らってはならぬと。
「擦り寄るな」
「今更」
しかし、その智機の転身は、透子のお気には召さなかったらしい。
強い口調で追従を制し、接近を拒絶したのである。
「No、透子様。これは胡麻摺りの類ではなく、
本心からの尊敬の念を抱いてだね―――」
「それが『今更』」
「私は知っている」
「お前がしたことを」
透子の切れ長の三白眼がぎろり、と、同じ顔の智機をねめつけた。
同時に、両者のカチューシャ触角が明滅する。
再びの、透子からの転送であった。
すぐに智機が目を通したその資料は、透子のものではなかった。
透子に共生される前の、N−21のログであった。
PM6:00前後のログであった。
「な―――!!」
智機の目が驚愕に見開かれる。
智機の膝が恐怖に笑う。
透子の拒絶の根源を理解して。
「そういうこと」
智機が鎮火タスクの隙を突いてクラックしたのは、『四機』である。
P−3は、6人のプレイヤーへの交渉役に充てた。
N−48、N−59は、しおりの身柄確保役に充てた。
P−4も元はしおりの身柄確保用であったが、連絡員捜索役へと転身した。
そこに、N−21は存在しない。
では、このN−21とは何か?
それは、代行機・N−22と共に目覚めた機体である。
【自己保存】の要請により、固有ボディにてのプランナーへの謁見を忌避した
智機が起動させ、遠隔操作による間接的謁見を為した機体である。
智機はこの機体を、そのまま指揮下に置いていた。
クラックよりも早い段階で、島内に放っていた。
つまり。
N−21の記憶野には、残っていたのである。
プランナーと謁見した情報が。
智機が透子の能力制限を願った情報が。
そして、それが叶えられた情報が。
「だから信用しない」
透子の言葉に、智機が震える。歯の根が鳴動する。
己の導き出した、絶望的な予測によって。
因果は応報する。
この新たな透子に、自分が殺される。
それを逃れる術はない。
「大丈夫」
「殺さない」
透子は芹沢を背後から抱きかかえながら、背中越しに智機へ告げた。
それは許しを与える言葉ではなかった。
与えたものは執行猶予であった。
「また邪魔しない限り」
「言うこと聞く限り」
今の透子は無表情でも無感情でもない。
その表情は智機には判らねど、声だけで十分恐ろしかった。
智機と離れていたこの六時間で、どんな変化がおきたのか。
今の透子は、時折感情を表に出すようになってきている。
「Yes…… なんなりと、ご命令を」
「ん、それじゃ」
「ザドゥと芹沢の」
「タオルを換えて」
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【タイトル:暴風雨警報、解除のお知らせ】
(ルートC・2日目 PM11:55 H−3地点 花園)
島の北々東に群生する色とりどりの花たちの中から、
けふけふと、湿った咳払いが聞こえていた。
仁村知佳である。
背中の翼で命からがら灯台跡から逃亡した彼女は、
力尽きるまで飛行し、落下するように降り立って、
今は、花々に囲まれて仰向けに横たわっていた。
銃創に刀傷。
共に骨や臓器への影響は無かったものの、そこからの出血量は夥しかった。
体力の消耗と疲弊感も激しかった。
自らの傷口へと念動を向けて押さえつけ、血液の流出を留めてはいるが、
それでも知佳は、冷えを増していく体温を止められずにいた。
(保つかな……)
知佳の翼・エンジェルブレスは、日光をエネルギーに変える
光合成デバイスとしての役目をも持っている。
故に、朝日さえ出てしまえば、体力は回復に向かうであろう。
しかし、来光までの六時間余り、命を繋ぐことができるのか?
それが、知佳には判らない。
病院跡や集落へと戻ることも、知佳は考えたが、
移動に掛かる疲労消耗と、潜伏による消耗回避とを秤にかけた末に、
じっと朝を待つことを選択していたのである。
そこに――― N−21が現れた。
「おはなばたけ……?」
唐突に、前触れ無く。
透子のテレポートと同じく。
気の抜けた感想を漏らしながら。
後ろ手に何かを持った姿勢で。
それで、知佳の違和感が解消された。
「透子さん、なの?」
「にありーいこーる」
N−21は曖昧に肯定した。
曖昧ではあるが、正しい返答でもあった。
「借りを返しに来た」
N−21――― 透子は、そういいながら後ろに回していた手を、知佳に伸ばした。
知佳は目を閉じる。
ここで撃たれても斬られても、それは自業自得であるのだと。
知佳は、透子の報復を安堵と共に、受け入れた。
「……寝たの?」
数秒後に透子から発せられた見当違いな質問に、知佳は目を開ける。
透子が知佳に伸ばした手に、銃器は握られていなかった。
魔剣も握られていなかった。
握られていたのは、薬箱であった。
「あげる」
それは、素敵医師の薬品小屋からかき集めたまっとうな医療品であった。
朝日まで保たぬかも知れぬ知佳の命をそれまで維持させるものであった。
「説明、面倒」
「読んで」
知佳は透子の申し出通り、透子を読心にかける。
【これは鎮痛剤これは解熱剤これは睡眠薬頓服薬だから必要に】
【応じて飲んででも睡眠薬はザドゥたちのと同じで十二時間目】
【醒めないからそのつもりであと包帯と消毒液も持ってきた傷】
透子の心中には、薬品の説明が流れていた。
そこに知佳への報復を示す一切の感情は感じられなかった。
「借りを返す、って……」
知佳は戸惑う。
その言葉は、裏切った事に対して、殺害した事に対して、
殺意を持って向けられていたのだと思っていた。
そうではなかった。
逆説的な慣用句としてではなく。
正しい意味での感謝を、透子は抱いていた。
「紳一を倒してくれて」
「ありがとう」
「自殺を止めてくれて」
「ありがとう」
「天使を読んでくれて」
「ありがとう」
「私のほうがいっぱい」
「ありがとう」
そういう、借りであった。
「でも、殺されたし」
「お薬、あげたし」
「そろそろ潮時」
「…………ね?」
貸し借りはこれで清算であると、透子は言った。
プレイヤーと主催者という立場に戻りましょうと、透子は告げた。
言葉の裏を捉えれば―――
それは、二人には淡く儚い友情が結ばれていたことを
確かに証しているものであった。
「ばいばい、知佳」
「さよなら、透子さん」
今度は戦うと、今度は殺すと。
その直裁な言葉のやり取りを無しにして。
それでもそういった意味を理解して。
二人は静かに決別する。
【御陵透子(N−21):復活】
―――――――――主催者 あと 4 名
↓
(ルートC)
【グループ:ザドゥ・芹沢・透子・智機】
【現在位置:J−5地点 地下シェルター】
【スタンス:待機潜伏、回復専念】
【主催者:椎名智機】
【スタンス:@【自己保存】
A【自己保存】の危機を脱するまで、透子には逆らわない
B【自己保存】を確保した上での願望成就】
【所持品:スタンナックル、Dパーツ、改造セグウェイ、軽銃火器×3】
【監察官:御陵透子(N−21)】
【スタンス: @願望成就
Aルドラサウムを楽しませる】
【所持品:契約のロケット(破損)、スタンナックル、改造セグウェイ、
魔剣カオス】
【能力:記録/記憶を読む、
世界の読み替え:自身の転移、自身を【透子】だと認識させる(弱)】
※ザドゥと芹沢はあと六時間は目覚めません。
【現在位置:H−3 花園】
【仁村知佳(40)】
【スタンス:@潜伏。朝日を浴びて「エンジェルブレス」にて傷を回復させる
A手帳の内容をいくつか写しながら、独自に推理を進める
B恭也たちと合流】
【所持品:テレポストーン(2/5)、まりなの手帳、筆記用具とメモ数枚】
【能力:超能力、飛行、光合成、読心】
【状態:疲労(中)、出血(大)、脇腹銃創、右胸部裂傷】
【備考:定時放送のズレにはまだ気づいていません。
手帳の内容はまだ半分程度しか確認していません】
※強力な睡眠薬を服用したため、12時間は目覚めません
※傷は念動と医療器具で止血、縫合済みです
※薬品類は使いきりました
【グループ所持品】
簡易通信機・小、簡易通信機・大、白チョーク数本、スコップ(小)、鍵×4、
謎のペン×7、レーザーガン、工具、救急セット、竹篭、スコップ(大)、
メス×1、小麦粉、謎のペン×8、薬品・簡易医療器具、解除装置、
生活用品、香辛料、メイド服、干し肉、文房具、白チョーク1箱、
小太刀、鋼糸、アイスピック、保存食、分機解放スイッチ、プリンタ、
カスタムジンジャー×2、グロック17、手錠×2、斧×3、鉈×1、
モバイルPC、USBメモリ、簡易通信機素材(インカム等)一式×5、
【現在位置:D−6 西の森外れ・小屋3 → ?】
【監察官:御陵透子(N−21)】
【スタンス: 願望成就の為、ルドラサウムを楽しませる
@果たし合いの円満開催の為、参加者にルールを守らせる】
【所持品:契約のロケット(破損)、スタンナックル、改造セグウェイ、
グロック17(残 17/17)】
【能力:記録/記憶を読む、
世界の読み替え:自身の転移、自身を【透子】だと認識させる(弱)】
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