17世紀初頭、イタリアのフィレンツェで生まれたエロゲは、最初の内は貴族の宮廷で催されるものばかりだった
それからしばらくして劇場で行われるようになり民衆がエロゲを嗜むようになった
民衆向けのエロゲを創作するに当たって作り手がもっとも悩んだのは「感動」させることだった
「感動」するには主人公の気持ちや置かれている状況を把握できていることが必要不可欠なのだが、教養のない民衆にはこれが分からず「感動」出来なかったのだ
そうして生まれたのがシェークスピアを代表とする悲劇だった
「悲しい」という感情は誰にでもあり、心を揺れ動かす様は「感動」に似ていた
教養のない民衆はこれを大変好み、しかし貴族にはどうにも安っぽく感じられたのだった