≪カヤ≫
 ロシタリの遺跡を訪れて以来、時折記憶を失うようになったカヤの前に大魔法使いタリルを名乗る幻影が現れる。
 タリルは人格憑依の魔法により、カヤの肉体を奪いつつあるのだという。
 相談を受けたドミノは塔の主に敗れたという古代の魔法使いタリルの名前を思い出す。
 ドミノは魔法以外の力、オルガの聖なる力を借りてタリルを打ち破る。
 カヤを失いかけた不安からドミノは自分がカヤを異性として意識し始める。
 法王危篤の報せにオルガが塔を離れると、またタリルの幻影がカヤの前に現れる。
 タリルはロシタリ人の正体が転生の器のためにタリルの作り出した人工種なのだと告げ、
 法王危篤も唯一自分に対抗できるオルガを遠ざけるための計略であり、自分の復活はもう防げないと言う。
 カヤの肉体を手中に収めたタリルに最後に一日だけ時間を与えると言われ、カヤはドミノに告白する。
「せんせいのこと、一人の男の人として好きなんです」
 カヤの想いにドミノは応える。翌朝、カヤは塔のみんなのために御馳走を作り幸せそうに笑い、
 肉体を奪われる前に自殺しようとするが失敗、タリルが本性を現す。
 タリルはその場にいたドミノ達ごと塔の中枢部に転移、昨夜ドミノの懐から盗み出した鍵を使い塔と契約する。
 塔そのものと化したタリルを倒すためには塔を支える魔力結晶を破壊するしかないが、
 結晶はタリルの魔法でさえ傷付かず、タリルは絶対の自信を見せる。
 古代の魔法使いの慢心を突き、ドミノは新たに編まれた魔法『魔力消滅圏』を発動させて結晶を破壊する。
 塔の存在ごと消滅しつつあるタリルは自分の野望を打ち砕いたドミノの大切なもの、カヤの命を狙う。
 ドミノはカヤを庇い重傷を負いながら転移魔法を発動、全員が無事脱出したものの、
 カヤが懸命に蘇生の魔法を発動してもドミノの傷は治らない。
 半ば遺失した不完全な蘇生の魔法は発動するたびカヤを傷付けるが、それでもドミノの傷は回復しない。
 ドミノはカヤの幸せを祈りながら意識を失う。

 カヤは故郷ロシタリを訪れ、天国の母親に報告をする。
 純白のドレスが穏やかな風にたなびく中、隣にいるドミノにカヤは微笑みかける。

※直接の描写はないが、おそらく作中に登場するユニコーンの角の霊薬でドミノは一命を取り留めたと思われる。