アニメ制作企業の平均収入高、ピークから4割減 一方、官民連携で海外投資の動きも
2016年09月03日
アニメ関連企業の平均収入高がピークから大きく減少している。今後は海外に目を向けた新たな事業展開に期待が高まる。
帝国データバンクは保有する企業概要データベースなどをもとに、アニメ制作を主業とする企業153社を抽出して経営実態調査を実施し、その結果を8月18日に発表した。
それによると、アニメ制作企業153社のうち、年度別に収入高が判明した147社の2014年度の平均収入高は10億1,800万円で、2年連続で前年を上回った。
過去10年間の推移をみると、2006年度の14億5,300万円をピークに大きく減少しており、直近では2012年度の9億7,900万円が最も低かった。
その理由は、作品数やアニメソフトの売上が減少し、制作アニメのビデオやDVD販売に収益に依存するビジネスモデルが行き詰まったためと、同社では指摘している。
また、業績が2期連続で判明した147社の年度別の収入動向をみると、2014年度の収入高が「増収」となった企業は、前年度比1.4ポイント減の51.7%だった。
一方、「減収」となった企業は同1.0ポイント増の26.5%、「横ばい」は同0.4ポイント増の21.8%だった。ここ最近は、アニメ放映数の増加やパチンコ機器やソーシャルゲーム向けの受注などがあり、
増収企業の割合は2年連続で増加していた。しかし、アニメやDVD などのビデオパッケージ媒体の売上が減少するなどの課題は残されており、減少に転じた。