<みさき>
昌也は明日香らの才能に心折られたみさきに引きずられ、挫折の記憶を呼び起される。
当時昌也は世界大会出場が決まり、周囲の重圧で潰れかけていた。
そうして楽しさを犠牲にしたFCの実力も素人の少年に数試合に抜かれかけ、
才能の差という現実を受け止められず、昌也はFCから逃げた。
一方高藤の新部長、佐藤院が真藤に善戦した明日香に決闘を申し込む。
乾より明日香を評価する佐藤院に、明日香は乾戦術の凄さを実戦で証明する。
みさきは新戦術を既に実践できる明日香とのセンスの差に絶望して部を辞める。
昌也は葵に、みさきを立ち直らせないと前に進めないと言い、
部を離れてみさきの専属となり、FCを始めたきっかけを聞かされる。
それはちょうど少年視点のあの挫折の話で、
当時短髪だったみさきの性別を勘違いしていたのだと昌也は気付き愕然とする。
自分を挫折させた責任を取れと、昌也はみさきの挫折を許さず、
二人はお互いが立ち直るために二人三脚で打倒明日香を目指し始める。
まずは今まで疎かにしていた基礎体力、戦術眼を重点的に鍛え、
引退した青柳らの協力のもと、みさきも乾戦略を使えるようになる。
本格的に明日香、乾と戦う覚悟を決め、みさきはその勢いで昌也に告白する。
二人は付き合い、昌也は負けたくないと必死になるみさきを支える。
上位置を奪われた際、仰向けの背面飛行でドッグファイトを仕掛けるという
新たな戦術も思い付き、みさきは猛特訓の末に自在に背面飛行するようになる。
順調に進むにつれ、昌也の心に嫉妬めいたものが浮かぶようになる。
大会当日、初戦に乾と当たったみさきは背面飛行で取った1点差を守り切る。
明日香も順調に勝ち進み、久奈浜学園FC部同士の決勝戦。
明日香は葵直伝の高速飛行、みさきは近接背面飛行と、
これまでの成果を全力で出し切る形で決着を付ける。
結果は僅差でみさきの勝利、激しい熱戦に会場は喝采に湧く。
試合を見た昌也は、自分がFCをする人間全員に嫉妬しているのだと気付き、
みさきは昌也を自分と同じ、胸を張って戦える場所まで連れていくと約束する。
時は流れて夏の大会。選手復帰した昌也とみさきは、互いに全力で戦おうと誓う。