――馬鹿馬鹿しい。
妄想の愚かさに僕は恥を覚えると同時に、愛しいあの人へ心の中で詫びました。
結婚が目前にまで迫っているというのに、馬鹿げた妄想をした自分を嘲笑いたい気分です。

ふと、僕は自身から湧き上がる衝動的な興奮に気づきました。そして、ソレに戸惑いながらも、抗う事が出来ません。
急いでオフィスへかけ戻り、秘書へ電話や来客を取り繋がないよう指示をだしました。
鍵をかけた事を確認し、ズボンのファスナーを下ろすや否や、自分のペニスを一心不乱に上下にこすりあげます。

携帯の画面を凝視します。自身の経営する会社とはいえ、社内でこんな穢らわしい行為に没頭するなんて言語道断です。
ですが、衝動に抗うことが、どうしても出来ません。見知らぬ男の下で嬌声をあげる彼女が脳裏に浮かびました。
痛みを覚えるほどペニスが固くなり、吐き気に近い何かが喉の奥からこみ上げてきます。

頭の中が真っ白になりながら、後先考えず、白濁した衝動を眼前にまき散らしました。
ドロドロに汚れた手のまま、そっと携帯の画面を撫で、僕は彼女への愛を再認識したのであった。