>>715の続き


このほか「甘やかされて育った連中は、成人になってからも反省の能力がついていない」「弱ったことに、『反省』という言葉を知らない人たちが多数いるのです」(p.171-172)とも、戸塚は書いている。自己紹介乙、と言う他ない。

また、戸塚は静岡刑務所で受けた扱いを「いじめ」(p.80)と呼んで糾弾しつつ、刑務所から離れた文脈では突如として宗旨を変え、

「いじめられると、怒り、悲しみ、不安、といった不快感が生じますが、その不快感が子どもを行動にかりたて、いじめられっ子を進歩させます」「いじめられた側は、いじめた側よりもずっと大きな利益を得るわけです」(p.173)

「常々私が言っていることのひとつに、『強いというのは正しい』という厳然たる法則があります。力というのは正義なのです」(p.182)

と強者による弱者へのいじめを肯定している。おいおい、それなら静岡刑務所の看守からいじめてもらったことに感謝しろよ。力は正義なんだろ?

以上、本書の主張を要約すると「俺(戸塚)がやる人権侵害は正義だが、俺に対する人権侵害は許さん」ということに尽きる。
実に本書こそは、おのれを棚に上げて二重基準を弄する「反人権派」の滑稽さを如実に示す一冊といえよう。