子どもへの性被害生む児童ポルノという引き金
「個人のお楽しみ」で片づけていい話ではない

斉藤 章佳 : 大森榎本クリニック 精神保健福祉部長

特に漫画やアニメ、ゲームなどでは子どもの身体の一部が大きくデフォルメされ現実離れしたものになっていたり、
行為の内容も過激になっていたりと、極端になりがちです。
繰り返し見れば無意識のうちに刷り込まれ、大なり小なり認知構造に影響を及ぼす可能性は高いです。

「現実とファンタジーの区別はつく」――児童ポルノを愛好する人たちの常套句ではありますが、はたしてそうでしょうか?

児童ポルノを愛好するほとんどの人が現実とファンタジーの区別がついていても、
その中から1人でも現実に加害をする者が出てくれば、それは対策が必要だということです。
小児性犯罪は特にその傾向が強いということが、世界でも明らかにされつつあります。

子ども(にしか見えない者)を性的対象としていい、性行為をしていいという認知を持つ者が少なからずいる社会は、
子どもにとって安全に生きられる社会ではありません。
この認識が広く浸透していくことが、子どもへの性暴力を抑止することにもつながります。
https://toyokeizai.net/articles/-/317903?page=4