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<金口木舌>忍び寄る「束縛」
2020年6月13日 06:00 琉球新報

韓国の都市にあるマンションの一室。
隔離対象者となった1人暮らしの女性はスマホを片時も手放さない。
外出を控え、保存食で空腹を満たす。ニュース番組で見た
▼陽性者の行動追跡は感染を防ぐ手だてになろう。
一方、監視されている立場を思うとやりきれない。
日本の特定秘密保護法やマイナンバー制度を思い出した
▼新型コロナ対策の一律10万円の現金給付で、
政府はマイナンバーを使ったオンライン申請を推奨していた。
申し込みが始まると、申請に不可欠な暗証番号が分からないという問い合わせが相次ぎ、
郵送を勧める自治体も出ている
▼自民など3党はマイナンバーを活用して現金給付を迅速化するための法案を国会に提出した。
高市早苗総務相はマイナンバーと一つの預貯金口座のひも付けを義務化する方針を表明している。
国民の金融の監視強化につながらないかとの指摘がある
▼十分な議論もないまま国の権限が強化され、個人の自由が制限されることがあってはならない。
それこそコロナ禍に乗じた「ショック・ドクトリン」だ。
見えない束縛は危機に紛れて忍び寄る。
<引用終了>