アメリカで唯一の日本人漫画家ミサコ・ロックスが語る

米国人に2等身キャラは通じない

たとえば、デフォルメされた登場人物の意義です。驚いたり喜んだりしたとき、突如キャラクターが感情の起伏を表すために
2頭身に変わったりしますよね。日本では違和感なく読まれていますが、アメリカではデフォルメキャラが登場すると「これは一
体誰なんだ?子供か?」と、読み手が混乱してしまうんです。もちろんマンガファンは問題ありません。しかし、初めて読む
人にはまったく通じないようで、私の担当者にも何度か説明しましたが、結局受け入れられず。最終的にはどうしても、と
いうところだけデフォルメキャラを使うようにしました。

キャラクターのファッションや恋愛描写にも制限があります。たとえば、子供から10代向けのマンガでは、マンガのキャラクター
がノースリーブや膝上スカート、ホットパンツなど「露出度の高い服」を着ることは好まれません。というより、担当編集者か
らダメ出しを食らいます。

男女の「絡み」も親密すぎるものは御法度。「Rock and Roll Love」の主人公、ミサコとジャメインのキスシーンを描くときも、
男の子のキャラクターの手の位置に気を遣いました。キスより先、つまり、ベッドに横たわって見つめ合ったり、女の子の胸の
位置に男の子が手を置くーーなんて完全にアウト。ケンカで相手の胸ぐらをつかむシーンなんて、もってのほか!それこそ編
集者に殴られてしまいそうです。

↑2016の記事だが、これじゃ、アメリカコミックスが日本の漫画と対抗するのは難しいわな
デフォルメ禁止って目を細める=笑い目とかも含まれるんだもの。漫画的技法が発達しない&読者が育たない
つくづく、手塚は偉大だと思うよ