「私は 今のままで十分に幸せよ・・」
マリアは消え入りそうな声で言う。
過去の長い片思いに思わぬ終止符を打ち、度重なる不幸で落ち込んでいた
私を救い、必要とし直向に愛してくれている人が居る。

今は 心も体も十分に満たされてるではないか・・・。

でも、彼女がそう望むのなら、捧げられる・・マルトになら・・・。

マリアは拳を固め、決心した。マルトは隣で肩に凭れて無言で寄り添っている。
「あ、あの・・・・」いざとなると怖気づく。女同士で、一体どうやって・・・
あらゆる恐ろしい妄想が浮かび、言葉が空回りして心で舞う。
マルトが「何?」とゆっくりと肩から頭を離し、上目遣いで微笑んで振り返った。
「その・・シャワー浴びてくるわね」とマリアは急いで席を立った。
「どうぞ、ごゆっくり」マルトは拍子抜けした様子でソファーに寝転がる。
マリアが浴室に出た時は部屋の明かりが仄暗く設定されていた。そして
マルトはいつの間にか下着姿になっていた。黒地にピンクの花柄という
少々派出目な下着だが、かえって彼女のセクシーなボディラインを際立たせている。
「私も浴びてくる」マルトはマリアの耳朶に唇を微かに付けて囁いた。