0274fusianasan
2010/09/04(土) 09:58:23「ヒロさん…ヒロさん起きて下さい」
暗闇で聞き覚えのある声に呼ばれる。
それでも、心地の良い微睡みから中々覚醒出来ずにどんどん声は遠退いていて。
「ヒロさん、自分がどうなってるか分からない?」
少し低くなったその声を聞いた途端にパチリと目が開かれる。
………体が…動かない。
霞む視界が徐々に開かれると、ミルクティーブラウンの美しい長髪が顔の前で揺れるのが見えて。
「北川…さん…?」
瞳を細めながら今だぼやける目を凝らし、微かな特徴から漸く彼女だと分かる。
ふと右を見るとベッドに縛り付けられる自分の手首が目に入り、冷や汗が頬を伝うのを感じる。
どういうことだ……。
「何を…してるんですか…?」
「ナニって、まだ分かりません?」
彼女がわざとらしい呆れ返った声で言い放った途端、
下半身に鋭い刺激が走り、歯を食いしばる。
…ザラザラとした手触りの手袋で性器を擦られている。
ここでやっと、働かない頭が「今自分が全裸である」ことを理解したのだった。