「あの…エルヴィンさん、もうお仕事はおしまいですか?」
『ぅう、とうとう幻聴まで…俺こんなにメンタル弱かったのかよ』
「エルヴィンさん、どうかしたんですか?」(心配そうに駆け寄り)
『奇行種ちゃん、俺を悩ませまくるなんて…君は罪な女の子だ…はぁ』(ため息)
「エルヴィンさん、エルヴィンさん!」(肩に手を置いてゆさゆさ)
「ついには奇行種ちゃんの幻まで…」
「エルヴィンさん!私は本物です、しっかりしてください」
「え、ぇええ?!奇行種ちゃん、君なのか?」(目をぱちくり)
「はい、私です。バレンタインデーなのでプレゼントをお持ちしたんですが…」
バレンタインプレゼントにぴくり反応するマスタースミス。しかしすぐにしょんぼりして
「プレゼントはナイルにあげるんじゃないのかい?この前ふたりで真剣に話し込んでいるのを見たよ」
「まさか、そんな事あるわけないです。あの時はナイルさんにプレゼントの相談をしていたんですよ?」
「ほ、本当かい?」
「本当です。なんでも出来て、なんでも持っているエルヴィンさんに何をあげたらいいのか分からなくて」
「奇行種ちゃん、俺は君からのプレゼントなら何でも嬉しいけど…」
「ナイルさんが“一番の贈り物は大好きな嬢ちゃんと二人きりで過ごす時間だろ”とアドバイス下さったんです」
「ナイルがそんなこの前を…」
「はい、だからエルヴィンさん。今度のお休みに私と温泉旅行に行ってくれますか?」

奇行種ちゃんが差し出した旅行クーポンを泣き笑い顔で受けとったマスタースミスでした



後日談
ドーク家には大量の感謝の温泉饅頭が届けられたらしいw