0135fusianasan
2016/02/25(木) 14:00:37.64毛皮に顔を埋めてクンカクンカと獣臭さを胸いっぱいに吸って楽しむ
まるで麻薬の様に中毒になってしまうほどのこの臭い、たまりまへんなあ
今度はお腹に顔を埋めて・・・あ、逃げた、照れたのかな?
>>113
「なあ、俺太どん」
「なんだぁ、俺助どん 元気ない顔をして」
村の畑では、若い衆が耕す手を止めて何やら話していた
「おら何だか、やる気が起きねえんだ」
「俺もだ なーんかこう、力が入らねえっていうか・・・なんでだろう?」
最近、村では若い衆を中心に、仕事に身が入らずため息ばかりついていた
始めは何かの流行り病かと恐れられ、事態を重く見た村長が村に医者を呼び診察してもらったが
体は健康そのもので特に異常は無いという事だった
「だが・・・何故か知らんが皆、軽い気鬱の病に罹っているようだ
これは人にうつる病では無いが、なんでこの村の若い衆だけが多く罹ったのか不思議だ」
診察した医者もこの村の出来事に首をひねったが
何か楽しい事をしたり考えたりしていればすぐに治るだろとの診断を下した
「はあ・・・楽しい事って、何があるかな俺熊どん?」
「楽しいって・・・歌ったり踊ったりか?俺はどっちも苦手だぞ俺兵衛どん」
「んだな、おめの歌は歌じゃなくていびきにしか聞こえないしな」
「おめの踊りも腐った酒飲んで苦しんでいるしか見えないしな」
はあ・・・ふぅ・・・
村のどこへ行っても、聞こえてくるのはため息ばかりで村は段々と辛気臭くなっていった
「どうしてこんなことになったのか・・・そういや祭りが終わってから変になり始めたな」
「そうだ・・・祭りの前はこんなことなかったべ」
祭りの前と後で村で変わった事は村長の娘がいなくなったことと・・・
「あ、そうだ!三橋だ!祭りの前に村長ん家に呼ばれてから見てねえだよ」
「んだな、三橋がいなくなってからおらも何かしら力が入らねえだ!」
「三橋はどうした?どこに行ったんだ?」
「そういやな、村の外に出たもんが遠くの村で見たんだと、村長の娘」
「それってどういうこった?まさか村長・・・三橋を娘の代わりに・・・」
ある一つの考えが若い衆の中で燻り始め、それが大火へと燃え上がるのにそうかからなかった つづく