0452fusianasan
2016/03/15(火) 12:42:42.57昨日はホワイトデーとやらだったそうだが、きつみはから何も・・・いや、特に気にしてはいないんだよ
あ、でもおやつの時に炙ったマシュマロをくれたけど、アレがそうなのかな?
最近、「俺くんみたいな体型のおじさんが出てくるアニメでおいしそうだったから買ってきたよ」
とか言ってたんだが、何のことだろう?
朝、目が覚めると三橋廉は猫になっていた
赤い虎縞の毛皮と長い尻尾に驚きながら
"ああ、また夢か・・・でも久しぶりだな"と思った
自室の窓に爪をかけ、全身の力でなんとかこじ開けて外に出る
屋根の飛び降り、春の少しだけぬるくなった風を全身で感じる
どこからか、まだ咲き始めの花の香りが漂ってきた
"春、だなあ・・・ちょっとそのあたりを散策してみようかな"
猫の機敏さで屋根と同じ位の高さの庭木に移り、地面に降りる
肉球に生えかけの柔らかい草の感触がして、なんだかうきうきしてきた
"どうせ夢なんだし、ちょっと探検してみようかな"
自宅の周辺を軽く周り、少しだけ遠い場所を目指してみる
家の高い塀や地面を歩きながら、朝のまだ静かな時を楽しんでみた
時折人間が通りかかるが、その度に気配を消して隠れるようにしていた
"知らない人ってちょっと怖いし・・・"
「あっ、猫!」
どこからか小さな子供の甲高い声がして、三橋はビクッ!とした
どこかの親子連れが、三橋を見つけて指差している
"や、やばい・・・子供は怖い・・・"
力加減のまだ良くできない子供が、動物を乱暴に扱うのを見たことのある三橋は素早く逃げた
後ろから「あ、にげちゃった・・・」と残念そうな声が聞こえたてきた
"ふう・・・危ない危ない・・・気をつけなくちゃ・・・"
「おっ、猫だ お前、どこの猫だ?」
今度は若い男の声がして、三橋はまたビクッ!と硬直した
「お前、夕べこのあたりで騒いでいたやつか?」
どこからか大きな手が下りてきて三橋を捕まえると、大きな手のひらで全身を撫で始めた
"ど、どうしよう・・・早く逃げなきゃ・・・" つづく