がんばったなきつみは!!今日のおやつは豪華なやつにしような、ご褒美だぞ!
>>479
"あ、あれ?あの黒いのってもしかして・・・うひゃぁ!!"
「ふふふ・・・良い鳴き声だね、もっと鳴かせてやりたいな」
手のひらでパンパンと叩いていたそれは突然止まり、三橋は安堵しながらもどこかしら残念にも思った
気持ちいいのは確かだが・・・今は猫の姿でもやはり知らない人からされたら恥ずかしい・・・
トン!トントントトン!
"うひゃああああああああ!今度はピンポイントできたああああああ!!"
「こうやって指を立てて叩くようにすると、もっと感じると思うんだけどどうかなw」
まるでピアノの鍵盤でも叩くかのように、男は三橋の尻尾の付け根を刺激する
その度に気持ちよい電流が三橋の中に走り、悶えさせる
"ああん!たまんない・・・猫のこれ、いいよう・・・"
男の妙技に酔わされて、三橋はされるがままであった
その姿を見ていた塀の上のそれは、ため息をつくと立ち上がり、うにゃあああ・・・と大きく吠えた
「随分と感じやすい猫だなw俺んちの子にしようかな、そして・・・グフフ・・・うわあ!な、なんだこれ!」
男の手の動きが止まり、悲鳴が聞こえた
快楽に酔いしれていた三橋も思わず目をあけ、その光景を驚いた
男が、多くの猫に囲まれてたのだ
10数匹はいるであろう色とりどりな猫たちは皆、男に尻を向け尻尾を高く上げて後ろ足で踏ん張っていた
「な、なんだよ・・・うわっ!ひ、ひでえ・・・」
猫たちは全てオスで、男に向かって一斉にスプレー行為を始めた
その勢いと量の多さと臭い、そしてこの異様な出来事に男は慌ててどこかへと逃げてしまった
三橋は一体何事なのかとキョトンとしていると、黒いそれが三橋に寄ってた
「お前、最近見なくて久しぶりだと思ったら、知らない奴に良い様にされてんじゃねえよ」
三橋にはその声に聞き覚えがあった ここらあたりのボスである黒猫だった
「あ、あの・・・もしかして助けてくれた?」
「まったくとろい奴だな、お前・・・ああくせえ・・・人間臭いから消してやるよ」
ボス猫はそう言うと、三橋に向かって尻をむけ、後ろ足を踏ん張り始めた
ああ、この展開は・・・と思った瞬間、生暖かい液体が三橋の全身に吹き付けられた
目が覚めて、三橋はまた奇妙な夢を見たと思った 身体には特に異常はないし異臭も無い
きっと昨夜、春の猫の鳴き声を聞いたからあんな夢ほ見たんだな・・・
窓の外では、まだ蕾の固い春の花の木の下で、黒い猫が大きなあくびをしていた  おしまい