今週も中々な順位だったな、きつみは
昨日のこどもの日も楽しんだし、美味しいものも沢山食べたし俺的には満足な休日だったよ
でもきつみははどうなのかな？また鯉のぼりの中に入ってトドだのマナティだのの真似をしそうな気配なんだが・・・
「それ、全部俺くんの真似だよ」
いや、俺はそこまで太ましくはないんじゃ・・・うん・・・

「今日もいい天気ー！！ヤッホー！！」
今日は朝から良い天気
家に取り込んでおいた鯉のぼりを前に、きつみはははしゃぎまわっている
「俺くん！早く早く！」
「そんなに急かさなくても鯉のぼりは逃げていかないぞ」
「でも、早く揚げたいんだ！空に！」
鯉のぼりにかけるきつみはの情熱は異常なほどだ
そのうち毎日でも揚げたい、いっそ鯉のぼりになりたいと言い出しそうな気がする
「はいはい、その前にご飯食ってからな　ほら、手を洗ってきな」
「うんっ！」
トテトテと手を洗いに行くきつみはを見送って、飯の仕度を続ける
白いご飯に熱い味噌汁、お漬物は大根ときゅうりでおかずは鯖の塩焼き
この時期だとマスの方が旬だったな、でも鯖も美味いよな、西京焼きにしてもいいかな・・・あれ？きつみはが戻らない
あいつどこに行った？おーい、きつみは！早くこないと全部喰っちまうぞ！！
・・・いない？いったいどこに行った　洗面所にはもういないし、鯉のぼりを揚げにでもいったかな
あ、庭にもいない・・・どこだ？どこに行ったんだ？
行方不明か？もしや誘拐・・・や、やばい・・・警察に電話して探してもらわないと！えっと、110番て何番だっけ？
あれ？鯉のぼりが変だな・・・こいつ、こんなに胴が太かったっけ？
それに微かだがもぞもぞとしているし、もしやこれは・・・
「おいこらっ！でてこい！」
「えへへ・・・見つかっちゃった　こうしていれば俺くんが知らずに俺を入れたまま揚げてくれると思ったんだけど・・・」
この野郎・・・そんな事はありません！！罰として飯食ったらお使いに行って来い！帰るまで鯉のぼりはお預けだ！
「えっ？それでいいの？うんっ！ご飯食べたら即効でお使いに行ってくるね！そしたら鯉のぼりね！」
何かが違う・・・これもきつみはの鯉のぼりへの愛ゆえなのか？
その愛を少しでも俺にくれないかなぁ・・・なんてw
とりあえず、飯食うか