0244fusianasan
2016/05/09(月) 12:33:43.87のんびりゆっくりが俺の信条さ、そのせいでこんなに太い身体になったわけじゃないからな
目覚めたら、世界が変わっていた
物語の世界じゃよくある話だが、それが現実に起こるなんて思いもしなかった
「そっちだ!そっちに行ったぞ!」「どこだ!いないぞ!」「あれだっ!いくぞ!」
学校に行こうと家を出た俺の前を小さな白い何かが横切り、それを大勢の人間が追いかけていた
「待て!逃げるなっ!」
必死な形相で走るそれはあっという間に追いつかれ、力ずくで押さえ込まれた
白くて小さなそれ・・・まるでウサギのようだったが人の言葉を話し、その顔を人間のそれで・・・誰かに似ていた
「ひぃ・・・や、やめて・・・た、たすけて・・・」
「うるせえっ!○○○のくせに生意気な!」「大人しくしろ!お前らは全て捕まえることになったんだ、諦めな」
ガクガクと震えるそれは摘み上げられると大きなズタ袋の中へと入れられ、やってきたトラックの荷台に放り込まれた
荷台には同じようなズタ袋がいくつもあって、もぞもぞと動いたりくぐもった泣き声が聞こえた
あの顔・・・そうだ、同級生の三橋にそっくりな顔をしていた
でもなんで三橋がウサギになっているんだろう?
あまりの出来事に呆然としながらその光景を見ていた俺に、三橋なウサギを追っていた一人が声をかけた
「お、兄ちゃんもやるか?あいつらは最近、数が多くなってな」
「あいつらって、三橋ですか?三橋をどうするんですか?」
「どうするって、狩るんだよ ミハシらを捕まえて回収するといい金になるんたぜ 回収した後?さあ知らんが」
「おいっ!またいたぞ追いかけろ!」
また新たな三橋を見つけたの報に、その男は話の途中で行ってしまい、俺は状況が飲み込めずに混乱していた
三橋・・・なんで三橋が狩られているんだ?狩られた後はどうなるんだ?
そうだ、人間の三橋はどうしているんだろう?もしかして狩られてしまったんじゃ・・・
そう思った瞬間、俺は踵を返して三橋の家に向かって走り出した
三橋・・・無事でいてくれ・・・そう願いながら息を切らしつつ、三橋の家のある場所へとたどり着いた
「な、なんだこれは・・・三橋・・・」
三橋の家はそこには無く、綺麗に手入れされた庭ごと更地になっていた
絶望を感じたその瞬間、俺は目覚めた
ああ、夢だったんだ、三橋は無事なんだ・・・と安堵しながらも、胸騒ぎがして仕方が無かったいた
外からは大勢の人間が「こっちだ!」「逃がすな!」と騒ぐ音が聞こえてきた
これも、夢なのだろうか?