ナイバッチきつみは
塩味のポップコーンもいいけど甘いのもいいな 両方あればもっといいよハハハ
>>273
「みは・・・し・・・」
三橋にそっくりな少年は俺のその声にハッとした様子で慌ててフードを深く被りなおした
「お前・・・三橋か?三橋廉なのか?」
「ち、違うよ・・・俺、そんなんじゃない、から・・・」
「おいどうした?何かあったのか?」
俺たちの様子に異変を感じて、俺をこの車に引きずり込んだ男がやってくると
三橋似の少年はその男の腕にすがりついた
「お、おい・・・どうしたんだ?」
「お、俺・・・失敗しちゃた・・・このお兄さんに・・・」
男は少年が僅かに話したことから何かを感じたのか、俺を睨むように見た
「あんた・・・見たのか?」
「その子は・・・三橋か?三橋廉、なのか?」
「ミハシレン?そんな名前の奴は知らない・・・」
「でもその子は、三橋の顔をしているじゃないか!やっぱりこの世界にも人間の三橋はいるんだ!」
叫ぶように言った俺の顔を男は不思議そうに見つめた 少年は男に縋り付いたまま、小さく震えていた
「ちょと話が見えないが・・・あんたが探しているのはそのミハシレンという奴なのか?」
「ああ、動物ではない人間の三橋廉だ その消息を確かめるためら俺はあの施設を突き止め、様子を伺っていたんだ」
「そうか・・・あんたはあんたのミハシを探していたのか だが、人間型のミハシというのは知らないし聞いた事もない」
「でもその子は人間・・・」
「いや、こいつは人間じゃない・・・この人は大丈夫だからフードを取って見せてあげなさい」
すがり付いている少年の頭をなんども撫で、宥めるように優しく話すと少年は小さく「うん・・・」と言ってパーカーのフードを外した
少年というよりも子供といった感じの、本当三橋にそっくりな顔がそこにはあった
色の薄い癖毛の髪も三橋そのもので・・・だが、三橋には無いものがそこにはあった
「えっ?耳?なんでこんな所に・・・」
頭に丸い耳が二つ付いていて、作り物じゃないと言わんばかりにピコピコと動いていた
「そう、これは人間のじゃなくて動物の耳だ この子は本当はクマのミハシなんだ
あいつらに捕まらないように、全身の毛を剃って人間と偽って俺たちが保護している
他にも密かにミハシを匿っている人間は大勢いる 
あんたもその「人間のミハシ」を探しているんだろ?俺たちに協力してくれないか?」 つづく