0512fusianasan
2016/05/26(木) 14:20:36.12ところでたぬのゝはやはりスカートなのかな?それにしてはωが丸見え・・・いや、なんでもない
>>500
三橋が、泣いていた
その閉じた眦から流れる一筋の涙・・・
そしてまた三橋の口が音を成さずに動く
ゆっくりと何度も同じ動きを繰り返すそれを見ていて、俺はある言葉では無いかと思いついた
・・・い・・・や・・・だ・・・い・・・や・・・
「嫌なのか・・・」
俺の呟きが聞こえたのか、三橋は小さく頭を縦に振った
それは頷いているように見えた
「嫌だと?そんなはずは無い!三橋は俺に会いたがっていたはずだ!」
O(オー)は俺の言葉を否定した
「三橋・・・俺の三橋・・・まだ実体化が完全ではないようだ
まだ足りないのか?ならすぐにでも集めてそこから出してあげるからな
この世界の全てのミハシの気を、お前に使ってやろう」
Oの視線が、俺の腕の中にいるクマなミハシに突き刺さった
こいつ・・・今すぐに止めないとこのクマなミハシとごろか保護して匿っているミハシたちをも力ずくで手に入れるつもりだ
そして、この場で倒れているミハシたちの様に自分の欲望の為に犠牲に・・・
ドームの中の三橋の口がまた、別の言葉を紡ぐように動いた
だし・・・て・・・ここから・・・いや・・・だ・・・
その時、俺は床に何かが落ちているのを見つけ、それを手に取った
そして渾身の力でそれを三橋の入っているガラスのドームへと投げつけた
ガンッ!
硬いそれはガラスのドームにあたり、撥ねてどこかへと飛んでいった
「そんなものでこのドームが壊れるとでも思ったのか?これと特製でそう簡単には・・・な、なんだこれは!!」
それがあたったところに小さなひびが入っていた
そしてそれは少しずつ広がっていき、ドーム全体がひび割れるのには時間がかからなかった
「どうだ、クマなミハシの爪の威力は!」
「つ、爪だと?割れる!割れてしまう・・・三橋が・・・三橋が!」
細かくひび割れたドームはパラパラと崩れ始め、中に入っていた三橋もその姿を崩し、光の粒になった
そしてそれは、ドームから開放されたのを喜ぶかのように空中を舞い、倒れているミハシたちを包み始めた つづく