今日も良い調子だな、きつみは 最近寒暖の差が激しくてちょっと体調がいまいちさ きつみはも気をつけるんだぞ

「ヒマだな・・・」
三橋廉は何もすることの無い状況に一人呟いた
毎日の様に変質的な男達に追いかけられる三橋に三橋本家の長である祖父がある措置を取った
三橋本家の所有する無人島に生活するのに困らないくらいの設備と環境を用意し、人知れず三橋を隔離した
周りを海に囲まれ、移動手段は無く、定期的に生活物資の補給がくるくらいの生活
一応テレビもあるしネットも繋がるがそれでも三橋は不満が募っていった
「御爺さんは俺を守る為だっていうけど・・・何もしないのも飽きたな・・・ん、あれ何だ?」
遠くから船のような物が近づいてくるのが見える
小型のクルーザだろうか、最高速の速さで島に向かってきている
「みはしたーん!今行くからね、一緒にバカンスしようねハァハァ・・・」
かねてから三橋に付きまとっていた変質者の一人が、島に向かっていた
「ひっ・・・ど、どうしよう・・・逃げなきゃ・・・」
だが逃げようにもここは海の孤島、どこにも逃げ場は無い
「みっはしたーん!俺も今そこに行くからねキュキュー」
クルーザーに負けまいと一頭のイルカが凄い速さで島に向かっていた
「やばい・・・よりによって変なのが二人も・・・どうしよう・・・」
まるで競争するかのようにやってくる一隻と一頭だったが、その動きがピタリと止まった
島の周りに数多くの大きな背びれを持つ生き物が現れ、近寄るものを威嚇し始めたの
「ここは三橋本家の所有する島だ、勝手に立ち入ることを禁ずる」「ほらほら、帰った帰った こちとら島の警備を任されているんだよ 食われたくなければ帰んな」
大きく鋭い歯を見せつけながら鮫に変装した警備隊が侵入者に襲い掛かった
「くそう・・・もう少しなのに・・・」
「ククク・・・この船の本当の姿を見せる時が来たようだな」
クルーザーは鮫の周りを高速で旋廻しながら途中で大きな網を海に投げ入れた
「うっ!身動きができない・・・」「こんな網くらい噛み千切ってくれる!!」
海での侵入者と警備隊との攻防をハラハラしながら見ていた三橋であったが、今度は空から何かがやってくるのをみつけた
「三橋!今助けるからな!二人で遠いところに逃げよう!」
ヘリコプターに乗ってきた新たな変質者の登場に三橋は慌てふためいた
海の次は空・・・三橋にはもはや安心して暮らせる場所はないのか・・・
その時、どこからか飛んできた軍用機がヘリに襲い掛かった
海に空に、三橋をめぐる争いは尽きることはない   三橋の明日はどっちだ?