ナイバッチきつみは 今日も頑張っているな、よしよし
ご褒美に俺がきつみはの全身にブラシをかけてしてあげよう
まだ梅雨は続くし、ジメジメしててきつみはの毛も寝がちだろ?
この俺のすばらしきテクニックできつはみの毛皮の毛の一本一本立たせて、隠された地肌に空気を送り込み、すっきりさっぱりさせてあげよう
あ、また白い目で見ている・・・変な事なんかしないぞ、本当なんだからな!!

「シーフード・・・ピザ?」
人気の無い山の中で1頭のクマーが何やら考え込んでいた
今日の占いのラッキーフードはシーフードピザ だが、山奥育ちの箱入り三橋なクマーにはそれが何なのかまったく判らなかった
「確かピザって・・・すごく太った男の人のことだっけ?でも俺、人は食べないし怖いし・・・
シーフードってなんだろ?シーは海って意味だっけ?フードは・・・これは知ってる、ご飯のことだ」
うんうんと唸りながらクマーはシーフードピザの正体を考えていた
山奥育ちで世間知らずな箱入り三橋のクマーではあったが、未知の食べ物に対しては興味深々で
この「シーフードピザ」なるものを食べてみたいと行動を起こした
まずピザの正体、これは山を降りるときに麓あたりに捨てられていた本に乗っていたピザの広告で判明した
丸くて薄いおせんべいの様なものの上に赤や黄色など美味しそうな色の食べ物が乗っている
「な、なんだ・・・ピザって太った人間じゃなかったんだ・・・でもおっきなおせんべいってどこにあるのかな?」
怖くて恐ろしいと散々聞かされて育ったクマーは、人間を食べなくて良いと知ってホッとした
次はシーフードだ 本には貝とか海老が乗っているピザがあったが海を知らないクマーにはそれが何なのか判らなかった
「これは貝・・・だよね 確か川にこんな貝がいたな でも海老って・・・川海老かな?でもシーは海だし・・・」
迷いに迷ったクマーは、とりあえず海に行こうと歩き出した
山から海までは結構な距離があり、途中で人間に見つかり追いかけられたりしたが、それでもなんとか海にたどり着いた
クマーの目の前に広がるのはどこまでも続く青い海、そして青い空と白い雲・・・吹く風にさえ海の匂いが漂ってくる
「これが海・・・よし、「シーフード」とやらを獲ってこよう」
ザバンッ!!と勢いよく海に飛び込んだクマーではあったが、そう簡単に海老や貝など獲れるわけも無かった
それでも何度も潜ってはチャレンジするクマーだったが、息継ぎの為に海面から顔を出したその時、大波がクマーを襲った
「うわああああああああああああああ!!」
波に揉まれ、流され、気が付くと知らない浜辺にクマーは倒れていて、知らない男の人が心配そうにクマーの様子を伺っていた
「おい、大丈夫か?おめ、どこの熊だ?なんで海に流された?」
「お、俺?誰?覚えていない・・・」
記憶を失ったクマーを保護した男、この二人の間に芽生えた愛情 だがそんな二人の幸せに忍び寄る暗雲・・・
次回「ミハクマ嫁さん、愛と悲しみのシーフードピザ!」  なお、次回放送は一部地域のみとなります ご了承ください