きつみはもふもふふもふもふ
暑い・・・暑いよ・・・毎日汗だくで不快度上がっているのに一昨日あたりから耳の調子が変だったんだ
昨日の夜、とうとう痛みまで出だしたから耳鼻科に行ってきたよ
先生曰く「耳、いじりすぎですね」
自分の耳の中を見たのは何年ぶりかな
大丈夫な方の耳は奥の鼓膜までしっかり見えまたけど、痛いほうは途中から腫れていて・・・
「だから耳は弄りすぎたら駄目だって言ってたのに・・・」
あ、きつみはがまた白い目で俺を見ている・・・カイカン

今日も三橋の膝は柔らかくて気持ちよくて・・・まるで天国みたいだ
「俺くん、今日も耳掃除する?」
いつものように三橋が耳かきを持って優しく俺に尋ねる
三橋の耳かきは本当に気持ちいいんだ・・・こうね、痒いところを的確にかいてくれる
それも強すぎず弱すぎず、本当に絶妙な力加減で俺を翻弄するかのようなテクニックで病みつきになるくらいだ
三橋と住み始めて数週間
二人の時間がこんなに良い物だったなんて・・・俺って本当に幸せだな・・・

三橋廉は男の耳かきをしながら迷っていた
"ど、どうしよう・・・でもやらなければ・・・"
三橋は某組織のエージェントだ
ある作戦の為、この男に近づき篭絡するのが彼の任務だ
偶然を装って近づき、恋愛関係となり共に暮らすようになった
全てはうまくいっているかのようにみえたが、それが今日、崩壊した
組織からの指示で、この男を殺すか、重症を負わせて暫く動けない状態にするように指示が来たのだ
いつもの三橋ならこの冷酷な任務を難なくやってのけただろうが、今回は違った
この男と共にいるうちに、情が沸いてしまった・・・愛してしまった・・・
愛している男を傷つけなければならない運命を三橋は呪った
"俺くん、ごめん"
三橋は耳かきを自分の膝枕で寝ている男の耳に突き刺した
「いてっ!!おい三橋、ちょっと強くやりすぎ・・・あれ?いないな それにしても耳がちょっと変だぞ、あ、あれ?血が・・・」
任務を完了しも三橋は男の元を去った
三橋の突然の失踪と耳を血が出るまで強くかきすぎて腫らし、心と耳が同時に傷ついた男は暫く再起不能状態に陥ったという とんぴんぱらりのぷう