ナイバッチきつみは
今月も中々良い出だしだよ
８月というと夏真っ盛り！青い空白い雲、どこまでも広がる大海原で海水浴
スイカ割りにバーベキュー、山に行っては虫に刺され野生動物とニアミス
あ、野生じゃない動物ならきつみはがいるな
海も混むしプールも・・・庭にビニールプールを出して水遊びの方が気楽かな

「海！行きたいっ！」
きつみはは目をキラキラさせて海海と言っている
そういえばきつみはは海に行ったことがなかったな
そもそもあのスーツで水泳は大丈夫なのかな・・・
「スーツ？ん・・・やっぱり脱げないからこのままだとバチャバチャになるよね・・・」
きつみはは常に身に着けているキツネスーツを脱ぐことが出来ない
風呂は誰も入ってこないように厳重に施錠して入るくらいだ
「泳ぐのが駄目なら海どころかプールも無理か」
そんなあ・・・という悲しそうなきつみはの表情を見て、俺は何とかしてやりたいと思った
とりあえず物置から昔使ったビニールプールを出して・・・あ、古すぎて穴が・・・
塞ごうにも大きすぎて修理も無理な状態だ
「これ、もう駄目かな・・・」
「無理みたいだ　けど違うのならあるぞ」
更に物置の奥に入り、それを探す・・・あった、結構大きめだからきつみはでも大丈夫そうだ
「ほら、タライだぞ　ビニールプールより小さいがこの大きさなら水遊びできるだろう」
大きくて金属で出来たそれを庭において水を張っているときつみはが家の中に入って暫くしてから出てきた
「あ、あのね、前にクマベのおじさんから貰った防水タイプのスーツなんだけど似合うかな？試作品だっていってたけど」
俺の前に立つきつみはは何故かペンギンの姿をしていた　キツネスーツの上から防水スーツを着ているのだという
しかし何故にペンギン・・・似合っているからいいかw
待ちきれなかったのか、きつみはは金タライの中に飛び込む
バシャン！と水が飛び散り、太陽に光でキラキラと光った
「うはあ！気持ちいい！水遊びｻｲｺｰ！！」
心置きなく水遊びをして冷やしていたスイカを食べて、俺ときつみはは夏を堪能した
だがそれから数日後、町内にペンギンが出ると噂が流れ、俺んちの前に何故かスマホを手にした人間が多く見られるようになった
ポ●ケモンじゃないぞ・・・