今日も頑張っているな、きつみは 春巻きもうめえが餃子も好きさ、葱餅もいいよな・・・
今夜はお手軽中華にしような、熱々の餃子をがぶっ、と噛んであふれる肉汁であちあちいいながら・・・たまんねえな

夢の中でふかふかした何かに触ったような気がした
目が覚めるとそのふかふかが自分の尻尾だ知った
赤みの強い黄土色の縞々の尻尾が目の前でゆらゆらと揺れている
ああ、まただ・・・また猫になっている夢だな、と三橋は思った
どうやら自分は自室のベッドで寝ていたらしい 開けられた窓からは夕方になりかけた空の色が見える
もうすぐ夜がやってくるけど少しくらいなら、と三橋は窓から屋根へと降りた
沈みゆく太陽を眺め、少しずつ暗くなっていく空をただみているだけ
どこからかとんぼが飛んできて、三橋の背中にちょこんと止まった
「わあ・・・凄い・・・」
とんぼは一匹だけでなく、まるで群れているかのように数多くのそれが飛んでいた
秋だなぁ・・・なんとなくノスタルジーな気分に浸りながら、三橋は秋の夕方の光景を楽しんだ
「たまにはこんな夢もいいよな」
そろそろ家に戻ろうか、と思ったときだった
「おい」
誰かが自分を呼んでいるキョロキョロして声の主を探すが見つけられない
「おい、ここだ お前また長いこと姿が見えなかったがどこに行っていた?」
庭の芝生の上に黒い大きなボス猫がいて、すばやく木に登りつくとあっという間に三橋の所までやってきた