よくやったきつみは!
今日お祝いだ!一等賞のお祝いだ!!
稲荷寿司に油揚げに厚揚げの煮物に餅巾着とかチーズ焼きとか色々と作っちゃうぞ!
味噌汁の具も゛油揚げだぞ、まだまだ作るぞ!
「俺くん、嬉しいけどそんなに沢山作っても食べきれないんじゃ・・・」
あ、そうか・・・それもそうだが・・・
「だから、少しずつ作るをずっと続けてくれた方がいいかなって思うんだ
その方が俺も楽しみが続くというか美味しいものが毎日食べれて嬉しいなって」
お前・・・嬉しいこと言ってくれるじゃないか、よし、毎日美味しいものだ沢山作ってやるよ!

「いらっしゃいませ」
気が付くと、どこかの店の中にいた
どうぞお好きなお席に、と言われ、カウンターの一席に座る
店内を見回すと落ち着いた雰囲気の小料理屋、という感じだが入り口が無い
どうぞ、とおしぼりを手渡される
使い捨てのものではない布のそれの暖かさに暫し和まされた
でも俺はなんでこんな所にいるのだろう
確か、取引先の接待を終わって帰宅する途中だったはず
どうぞ、と小鉢が置かれた
先付けなのだろう、季節の野菜を煮たものが小鉢に盛られていた
「ごゆっくりどうぞ」
「あ、あの・・・メニューとかって・・・」
ただ一人の白い割烹着姿の店員は俺の方を見るとにっこりと笑った
「この店は店主が選んだものをお出しするのです」
白い肌とやや色の抜けた色の髪の店員はそう言うと次の皿を置いた