ナイバッチきつみは
今日もナイスポジションだぞパフパフ

>>261
トントントン・・・カンカン・・・トントン・・・
祭囃子に混じって大工仕事の様な音がし始めるともう祭りはすぐだ
「あれ?どこかで家でも作っているのかな?」
「いや、あれは神社の境内で祭りの舞台を作っているんだよ」
「そうなんだ、俺、どこかで家を建ててて餅まきするのかなって思ったんだ」
「お前は食い気だけは人一倍だな」
「俺くんほどじゃないやいっ!」
からかわれてプンスカと怒るきつみはの姿に思わず笑ってしまいそうになる
祭りの準備も進んでいるな・・・
うちも神社に奉納するものを選ばなきゃいけないな
定番なのは金か酒だが米とか野菜や果物でもいいと聞く
ものの本によると人にとって「価値のあるもの」を神様にお供えするってのが基本らしい
だから祭りで舞を奉納するってのもありなわけだ
だけどきつみはのきつね踊り、というか、ただ跳ねるだけの踊りは無理だな
ふむ・・・俺んちにとって価値のあるもので神社の神様に奉納できるものといえば・・・やっぱりあれか
「俺くん、どこに行くの?」
「ちょっと電話 祭りに神社に御供えするのを頼んでくる」
「あ、もしかして、アレ?」
「そう、アレだ うちの分も頼むから心配するな」
俺がそう言い切る前にきつみはは満面の笑顔になってきつね跳ねを始めた
「やった!やった!お祭り早くこいっ!」
きつみはの言うアレとはきつねにとって大好物のアレ、油揚げだ
それも大量生産品じゃなくて町の豆腐屋で作っている昔ながらの品だ
一つ一つ丁寧に手揚げされたそれはきつみはの大好物なのだ
電話しようと廊下に出て、受話器を取ったところで玄関が開いた