きつみはもふもふふもふもふ
優柔不断なのはいつものことさ
だから今日もフランクフルトにするか魚肉ソーセージにするか悩む俺なのさ
いっそポークビッツに・・・いやいや、俺のはそんなに小さくはないぞ、うん・・・

>>528
シャン・・・シャン・・・
いくつもの鈴が一斉に鳴らされるようなそんな音
神社の石段を上がるごとにそれは大きくなっていく
シャン・・・シャン・・・シャン・・・
そう長くも無い石段を息を切らして駆け上がり、鳥居をくぐり境内に入る
そこにはあれだけ大勢いた祭り客が皆ひとつ所に向いている光景があり、少し異様な気がした
シャン・・・
鈴の音のする方に祭り客たちが目をやっている
そこは拝殿の隣に作られた仮設の舞台で、今、誰かが神楽鈴を手に舞っていた
本来なら奉納舞に着る衣装があるはずだが、今、舞台で舞っている舞手にはそれが無い
小柄な体には薄い茶色の毛皮を纏い、顔には狐の面、片手には神楽鈴と呼ばれる多くの鈴のついた物を持っている
静かに優雅に動くその舞は、まるで巫女さんが祭事の際に踊るそれのようでもあった
ポンッ!ポンッ!
今まで音一つ無い舞台に鼓を叩く音が響いた
それに合わせたかのように、狐面の舞手はタンッ、と跳ね上がると空中でクルリと回転した
周囲からはおおっ・・・と歓声が上がる
ピーヒャラヒャラ・・・ピーッ!
鼓に続いて笛の音が続く
良く見ると、舞台の周りを白い靄の様なものが囲み、音はそこからが聞こえてくる
だが、人の姿はその中には見えない