きつみはもふもふふもふもふ
そうか、今週は乱高下の激しいジェットコースターな運気なんだな
なら遊園地気分で楽しもうじゃないか!どんなときでも楽しまないと面白くないもんな
ダイエットも楽するばかりじゃなくて楽しまないといけないよな
「でも俺くん、楽な方法ばかり選んでいるような気がするんだけどな」
うるせえ、そんな口を叩く子には生のパクチーを口に突っ込むぞ!
「え?あ、あれ・・・匂いがちょっと・・・」
俺には美味く感じるんだよ、食ってみろ!!あ、逃げた・・・

冬は寒い
朝も昼も寒いが、日が沈む夕方からはいっそう寒く感じる
今日も仕事が終わり、冷え込む中を家に目指してただ歩く
夕飯は何かあったかいのがいいな、どうせ一人暮らしだし簡単に・・・
たまにはどこかで食べていってもいいかもな、月一くらい贅沢してもいいよな
早く帰りたいという思いとどこかに寄って一杯飲んでいきたいという思いが俺の中でせめぎあう
その時、どこからか温かく良い匂いがしてきて俺はその方向へと足を進めた
「いらっしゃい!」
店の中は程よく温かく、疲れた俺の身体をじんわりと癒してくれるようだ
「なんにします?今日のお勧めはホッケの焼いたのですよ」
カウンター席に座った俺におしぼりと先付けを出しながらこの店の主であろう男が勧めてくれた
俺は少しだけ考え、ホッケと熱燗を一本頼んだ
そう大きくは無い店だが、先客が何人かいて中にはもう出来上がっている客もいる
こじんまりとした雰囲気が良くて、心がほっとする
おまたせ、と出された熱燗を一口飲んで思わずふう・・・と息をつく
熱すぎずぬるすぎず、今日の気候に合わせてちょうど良い様に燗をつけられた酒が俺の身体中をめぐる
暫くするとホッケが出された
注文してから焼かれたそれは、まだジュウジュウと音を上げている
一口食べるとそのジューシーな美味さに驚かされた
たまらずむしゃぶりつくように食べ進めていると、隣の席に誰かが座った
席は他にも開いているのに、と隣の客をみるとまだ若い男だ
「こんばんは、今日も寒いですね あ、俺いつもの」
ほわほわの色の薄い癖毛のその男は、俺に挨拶をすると店員に何かを注文した つづく