ナイスなポジションだぞ、きつみは
二月ももう半分か・・・
春までもうちょっとだな、今年の花見はどこにしようか
うちの庭にもそれなりに花の咲く木があるけど
公園とかで弁当を持っていって花見するのもまたいいよな
また重箱に稲荷寿司をこれでもか、と詰めてお花見したいな

「ゴホッ!ゲホッゲホッ!」
また布団の中で咳き込む
春の楽しい夢でも考えていなとやりきれないくらい、辛い
きつみはが風邪を引き、その後俺も引いてしまった
きつみはの風邪がうつったのかな、とも思ったが
とうのきつみはは病院で注射してもらったら一日でピンシャンとなったからもしかしたら違うのかもしれない
「うう・・・ゴホッ!」
とにかく、せきが止まらないのだ
起きていても寝ていても咳が出て熟睡できないし、何より腹筋が痛い
そうか、腹筋は咳をすれば鍛えられるのか・・・などと馬鹿な事を思ったりする
「俺くん大丈夫?ご飯食べれる?」
きつみはが心配そうに俺の様子を見に来てくれた
「うう・・・お、おかゆならなんとか・・・」
「うん、玉子を入れて作ってみたんだけど・・・」
おかゆを持ってきてもらい一人でゆっくりと食事をする
きつみはの治った風邪がまたぶり返すかもしれなくて心配だから俺にあまり近寄らないように言ってある
襖の向こうから視線を感じて目をやると、きつみはがこっちを覗くように見ていた
「俺くん、病院に行ったのに変だね・・・あのね、聞いた事があるんだけど葱を首に巻くといいんだって」
確か民間療法でそんなのがあると聞いた事が・・・
「それに焼いた葱をね、あの・・・お尻に刺すと熱が下がるんだって、やってみる?」
いやまて、それは流石に・・・
「じゃなきゃ座薬入れる?あれなら効き目が凄いよ、俺も前にやってもらったから保障するよ」
まてまてまてまてまて・・・座薬ってお前が俺にか?それは流石に・・・
確かに俺は前にきつみはに座薬を入れたことはあるが、その逆はちょっと・・・
俺は頭を抱えながら、とりあえずもう一回病院に行こうと決心したのだった どっとはらい